冷え性といえば手先や足先など末端が冷える末端型冷え性をイメージする人も多いでしょう。冷え性にも種類があり、末端だけでなく体の外や内側など全身が冷えてしまう「全身型冷え性」もあります。
今回は全身型冷え性について、原因や特徴、おすすめなヨガポーズを紹介していきます。
<目次>
お腹を下しやすい
倦怠感や疲労感を常に感じる
体内で熱を生み出す力が弱い
食事・睡眠が十分でない
甲状腺に問題がある
生活習慣を見直す
バランスが良く体を温める食事をとる
パールシュヴァコナーサナ&リバースウォーリア
トラのポーズアレンジ
パリヴリッタパールヴァコナーサナ
全身型冷え性とは?
全身型冷え性は、体の中から外まで全身が冷えてしまっている状態です。一年中季節を問わずに冷えているため、寒気・肌寒さを感じる人が多いです。
また、体内で基準としている体温自体が低くなっているケースもあります。低くなった体温を体が平熱と判断しているため、この場合は寒さも感じず全身型冷え性であることに気がつきません。
症状がないまま冷え性が悪化する可能性もあるため注意が必要です。
全身型冷え性の特徴
全身型冷え性の特徴として、常に体が冷えている以外にも以下の2つがあげられます。
- お腹を下しやすい
- 倦怠感や疲労感を感じる
お腹を下しやすい
全身型冷え性は体の芯まで冷えきっているため、内臓機能が低下しやすいです。そのため、お腹を下すなどの症状が出ることも多くあります。
内臓型冷え性のように内側だけ冷えている訳ではないため、温まりにくく症状が慢性化しやすいため注意が必要です。
倦怠感や疲労感を常に感じる
全身型冷え性で平熱自体が下がると身体機能が低下するため、常に倦怠感や疲労感を感じやすくなります。
悪化すると食欲や気力も低下し、栄養も不足しやすくなるため免疫も低下します。免疫が低下すると風邪をひきやすくなり、体調を崩すことが増えるため注意が必要です。
全身型冷え性の原因
全身型冷え性になる原因として、以下の3つがあげられます。
- 体内で体を生み出す力が弱い
- 食事・睡眠が十分でない
- 甲状腺に問題がある
体内で熱を生み出す力が弱い
体内で熱を生み出すには、基礎代謝を上げる必要があります。基礎代謝とは、生きていくうえで最低限の生命活動のみで消費できるエネルギーのことです。
おもに呼吸が最低限の生命活動にあたります。人間の体はエネルギーを消費する際に熱を生み出すため、基礎代謝が高いほど体は芯から温まります。
基礎代謝が落ちる原因はおもに筋肉量の低下や加齢、不規則な生活などさまざまです。しかし、筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり熱を生み出せるようになります。
食事・睡眠が十分でない
食事が十分にとれていないと、エネルギーを燃焼するための燃料がない状態のため基礎代謝が上がらず、全身型冷え性の原因になります。
とくにダイエット中など、筋力をつけずに食事制限のみで痩せようとすると全身型冷え性になりやすいです。代謝も非常に低下し、かえって痩せにくくなるため注意が必要です。
また、睡眠不足が続くと精神的にも肉体的にも大きなストレスがかかります。自律神経のバランスも崩れ、血流が滞ることから全身型冷え性になるケースも多いです。そのため、食事や睡眠は十分にとることを意識しましょう。
甲状腺に問題がある
甲状腺の機能が低下することで発症する冷え性は、全身型冷え性の特徴に当てはまる要素が多いです。
甲状腺で分泌されるホルモンには体温を保つ働きがあるため、分泌量が低下すると全身が冷えて常に寒さを感じるようになります。
食事・運動・睡眠は問題ないにもかかわらず、症状が改善しない場合は甲状腺機能低下症を疑うことをおすすめします。
全身型冷え性の解消方法
全身型冷え性の解消方法として、以下の方法があげられます。
- 生活習慣を見直す
- バランスが良く体を温める食事をとる
生活習慣を見直す
全身型冷え性の大きな原因は、筋力低下や自律神経の乱れにより代謝が落ちていることです。そのため、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。
適度な運動や筋トレで筋力を上げることで基礎代謝は上がります。ただし、やりすぎると自律神経のうち交感神経のみが高くなってバランスが崩れてしまうため注意が必要です。
自律神経のバランスを整えるためにも、ストレッチでリラックスする時間を作ったり、マッサージやストレッチで血流を促進したりするといいでしょう。
また、睡眠時間もきちんと確保することで自律神経の乱れを防げます。最低でも6時間以上は睡眠がとれるように心がけましょう。
バランスが良く体を温める食事をとる
体の熱を生み出す元となるため、食事は非常に重要です。一度全身型冷え性になると、さらに食欲が落ちて基礎代謝が低下する負のサイクルに陥る可能性もあります。
そのため、ダイエット中でもバランスよく食事はきちんととりましょう。また、生姜や唐辛子など、発汗作用がある食べ物は体を温めてくれるためおすすめです。
全身型冷え性におすすめなヨガポーズ3選
全身型冷え性におすすめなヨガポーズとして、いかの3つがあげられます。
- パールシュヴァコナーサナ&リバースウォーリア
- トラのポーズアレンジ
- パリヴリッタパールシュヴァコナーサナ
パールシュヴァコナーサナ&リバースウォーリア
パールシュヴァコナーサナとリバースウォーリアを繋げて繰り返すことで、脇腹や肩甲骨、肩など上半身を広範囲に使えます。
また、腕を大きく振るので血流が良くなるほか、下半身の筋力アップも狙えるので全身型冷え性におすすめです。やり方は以下の通りです。
- 両手を肩の高さT字に開き、手首の真下に足首が来るよう大きく足を開く
- 右のつま先を内股、左のつま先を90°外に向ける
- 左膝をかかとの上まで曲げ、つま先と膝の向きを揃える
- 骨盤は斜め向きのまま、胸を正面向きに戻して両手を左右に開く。一度ヴィラヴァドラーサナ2に入ってから動く。
- 左の手のひらを天井に向け、息を吸いながら指先遠くを通るように左手を天上にあげる。このとき、右手は右の裏ももか腰に添えておく。
- 息を吐きながら左手と奥を通りながら降り、左肘を左の前ももに置く
- 右手を耳の横まであげ、右の手足で引っ張り合う
- 動きを繰り返す
このとき、背中は後ろによりかかって胸を開いた状態で動きましょう。交互に脇腹が伸び、肩甲骨が動くことで背中がほぐれていきます。
トラのポーズアレンジ
トラのポーズから手足を後ろで掴むアレンジポーズです。体の前側が伸び、胸が大きく開くので呼吸が深まります。自律神経のバランスを整える効果が期待できるほか、お腹の力も使うので筋力アップを狙えるポーズです。
- 四つ這いになり、肩の真下に手首、おしりの下に膝をせっとする
- 右足をおしりと同じ高さにあげ、左手も前に伸ばし手足で引っ張り合うようにして背筋を伸ばす
- お腹に力を入れたら右膝を90°に曲げてつま先を天井に向ける
- 内ももを締めたら左手を後ろにまわしつま先を掴む
- お腹を凹ませたままつま先を天井にあげ、足の甲で後ろに向かってキックする
このとき、足をキックした分だけ手が引っ張られ、胸が開くのを感じます。きつい場合は手を掴まなくても良いので、膝を90°に曲げて腕を斜め上にあげるだけでもOKです。
パリヴリッタパールシュヴァコナーサナ
パリヴリッタパールシュヴァコナーサナは捻りのポーズなので、内臓の働きを高めるのにおすすめです。また、立位のポーズのなかで最も難しいポーズの1つともいわれています。お腹だけでなく足やおしりの筋肉も使うので強度が高めのポーズです。
- マットの前の方に気をつけで立ち、両手を腰に添える
- 右足を大きく1歩後ろに引き膝を下ろす
- 左膝の真下にかかとが来るよう調節する
- 右手を耳の横まであげて、足の付け根から体を斜め45°まで倒す
- そのまま左へのねじり、右手を膝の外にかける
- 両手を胸の前で合掌し、左のおしりを後ろに引いて脇腹を伸ばす
- 背中は後ろによりかかりながらねじりを深める
このとき、慣れていない場合は膝をついてキープしましょう。
ヨガで体を温めて全身型冷え性を改善しよう
今回は全身型冷え性について、原因や特徴、おすすめなヨガポーズを紹介してきました。全身が常に寒く感じるため、気づいたときには身体機能が非常に低下してしまっているケースも多いです。
生活習慣を見直すとともに、ヨガポーズも取り入れながら全身型冷え性を改善しましょう。
(記事、動画:ヨガインストラクターree先生)