冷え性には指先など体の外側だけでなく、内側が冷える「内臓型冷え性」もあります。直接寒さは感じなくても、内臓は冷えているケースも多いです。
今回は、内臓型冷え性の特徴やおすすめなヨガポーズをご紹介します。内臓を元気に保てば、体を内側から健康にできるのでぜひ参考にしてみてください。
<目次>
冷たい飲み物や食べ物を多く摂っている
自律神経が乱れている
下腹部を触ってみる
起床時のお腹と脇の下の体温を確認する
胃腸の調子が悪い
発汗作用のある食べ物を摂取する
外からも体を温める
ダウンドッグの大きなキャットアンドカウ
リバースウォーリアアレンジ
パールシュヴァ・タナン・ムクターサナ
内臓型冷え性とは
内臓型冷え性とは、手足など体の外側は温かく内臓のみが冷えた状態を指します。体温は通常通りなため一見気がつきにくく、冬だけでなく夏にも起こりやすいのが特徴です。
内臓型冷え性になると、免疫が下がるだけでなく、不妊のリスクが上がるなど生殖機能にも悪影響を与えます。とくに女性は生理周期が乱れたり、妊娠中であればつわりが酷くなったりする可能性もあるため注意が必要です。
内臓型冷え性の原因
内臓型冷え性になる原因として、以下の2つがあげられます。
- 冷たい飲み物や食べ物を多く摂っている
- 自律神経が乱れている
冷たい飲み物や食べ物を多く摂っている
冷たい飲み物や食べ物を多く摂取すると、内臓の温度が下がり内臓型冷え性の原因になります。とくに、クーラーの効いた部屋でアイスや冷たいジュースで、体を冷やすことが多い夏は内臓型冷え性になりやすい季節です。
自律神経が乱れている
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、バランスが乱れると血管の収縮や拡張などの動きをうまく制御できなくなります。
すると血行が悪くなり、内臓まで温かい血液が届かなくなるので内臓が冷える原因になります。
内臓型冷え性の症状をチェックしてみよう!
内臓型冷え性は自覚するのが難しい冷え性なため、気づかずに悪化してしまうケースも多いです。まずは以下の症状に当てはまるかチェックし、内臓型冷え性になっていないか確認してみましょう。
下腹部を触ってみる
下腹は通常であれば触れると暖かく感じます。
そのため、下腹部を触ってみて冷たく感じたら内臓型冷え性である可能性が高いです。
ただし、薄着だったり寒い場所にいたりすると皮膚が冷えることで冷たく感じます。そうではないのにもかかわらず冷たい場合は内臓型冷え性と考えて良いでしょう。
起床時のお腹と脇の下の体温を確認する
起床時のお腹と脇の下の温度は通常であれば同じぐらいに感じます。しかし、脇の下よりもお腹が冷たく感じる場合は内臓型冷え性の可能性が高いです。
布団をきちんとかけて寝ても冷たく感じるので、寝起きに確認してみることをおすすめします。
胃腸の調子が悪い
内臓が冷えると内臓の働きが弱くなるため、下痢や腹痛、便秘など胃腸の調子の悪さが目立つケースが多いです。
風邪を引いているわけではなく、慢性的な胃腸の調子の悪さが続く場合は内臓型冷え性である可能性も視野に入れておきましょう。
内臓型冷え性の対策
内臓型冷え性の対策として、以下の2つがあげられます。
- 発汗作用のある食べ物を摂取する
- 外からも体を温める
発汗作用のある食べ物を摂取する
生姜や唐辛子など発汗作用がある食べ物は、体を内臓から温めてくれます。また、発酵食品も体を温める作用があるので、納豆やチーズなども組み合わせて食べることをおすすめします。
関連記事:発酵食品とは?発酵食品に期待できる効果やメリット・デメリットを解説
とくに冷たい食べ物やジュースを好む人は、食事のときに発汗作用のある食べ物を積極的に摂取して冷えたぶん体を温めましょう。
外からも体を温める
入浴の際は、湯船にゆっくりと浸かって1日冷えた体を芯から温めましょう。このとき、熱いお湯に浸かると汗を大量にかき、かえって内臓を冷やす可能性があります。
そのため、38~40℃のぬるめのお湯に30分ほど時間をかけてゆっくり浸かるのがポイントです。
内臓型冷え性におすすめなヨガポーズ3選
内臓型冷え性におすすめなヨガポーズとして、以下の3つがあげられます。
- ダウンドッグの大きなキャットアンドカウ
- リバースウォーリアアレンジ
- パールシュヴァ・タナン・ムクターサナ
ダウンドッグの大きなキャットアンドカウ
ダウンドッグの大きなキャットアンドカウは、キャットアンドカウのように背骨を大きく動かすポーズです。お腹を伸ばしたり縮めたりを繰り返すので、内臓をマッサージするように温められます。
- 四つ這いになったら手を手のひら一枚分前につき、つま先を立てたらおしりをかかとまで引く
- おしりを後ろに引き込んだまま両手を前に歩かせて脇腹を伸ばす
- おしりを上げてダウンドッグに入る
- 息を吐きながら背中を丸めてお腹を縮めるようにしながら体を前にスライドする
- 肩が手首の真上に来たら前ももを下ろして足の甲を寝かせ、息を吸いながら下から上に向かって背骨を反り、最後に目線を斜め上に向ける(アップドッグのポーズ)
- 息を吐きながら目線をおへそに向けて肩甲骨~背骨の順番に丸め、徐々におしりを上げる
- 最後に息を吸いながらおしりを高く上げて背骨を伸ばし、ダウンドッグに戻る
呼吸に合わせて動きを繰り返します。背骨を反るときは肩を下げ、首を長く伸ばしましょう。また、背骨を丸めるときはお腹にきちんと力を入れるように引き込むことで内臓まで効かせられます。
難しい場合はダウンドッグではなく、四つ這いで通常のキャットアンドカウから始めます。余裕が出てきたら以下の軽減方法で背骨をさらに動かしてみましょう。(動画にも軽減法あります)
- 息を吐きながら四つ這いで背骨を丸めながら体を前にスライド
- 肩が手首の真上に来たら前ももを下ろし、息を吸いながら下から上に向かって背骨を反る
- 息を吐きながら目線をおへそに向けて背骨を丸め、おしりをかかとに引き込んでいく
- 吸いながら両手を前にのばし伸びたチャイルドポーズになる
軽減で背骨の動かし方が分かってきたら、ダウンドッグからはじめてみるのがおすすめです。
リバースウォーリアアレンジ
リバースウォーリアは脇腹を大きく伸ばすため、肝臓の機能を活性化させたりリンパの流れを促して消化機能を整えたりする効果が期待できます。さらに脇腹が伸ばせるように、アレンジを加えてやってみましょう。
- 両手を肩の高さに開き、手首の真下に足首が来るように足を大きく開く
- 両手を腰に戻し、右のつま先を内股、左のつま先を90°外に向ける
- 左膝がかかとの上に来るまで曲げる
- 左のつま先と膝の向きも揃えるように股関節から外へ開く
- 骨盤は左斜め前を向いていていいので、お腹を少しねじり、胸を正面向きに戻す
- 両手を肩の高さに広げたら手のひらを天井向きにし、肩を開いてから両手を天井に上げる
- 頭の上で手を組んだら、手のひらを天井に返して伸びをする
- 左肘を曲げて右肘を落とし、左脇の下~二の腕にかけて伸びた状態にする
- 体が右斜め上方向へ伸び上がるように意識し、肘を天井に向ける
このとき、脇腹が伸びているのと反対側の腰が上がりやすいです。両方の脇腹を斜めに伸ばすために、腰の高さは揃えることを意識しましょう。
難しい場合は手を結ばず、左手を伸ばしたままの通常のリバースウォーリアから始めるのがおすすめです。
(動画にも軽減法あります)
パールシュヴァ・タナン・ムクターサナ
パールシュヴァ・タナン・ムクターサナは、ねじりながら体をボルスターに預けるリラックスポーズです。
ねじることで内臓に刺激が入り活性化に繋がります。枕やクッションでも代用できるので、寝る前のリラックスタイムにやってみてください。
- ボルスターを縦向きにセット
- 短い辺の横におしりの右側がつくようにして正座になる
- 両手でボルスターを抑えながらつま先を左側に出し、正座を崩した形になる
- 両手をボルスターの両サイドにつきながら体を右にねじり、胸をボルスターに向ける
- 頭が前に引っ張られるようにしながらボルスターへと体を下ろす
- 余裕があれば右膝を前に伸ばす
このとき、顔は好きな方を向いていてOKです。なるべく左胸をボルスターへ近づけるようにねじりを深めましょう。
ヨガポーズを取り入れて内臓型冷え性を防ごう
今回は内臓型冷え性の特徴や対策、おすすめなヨガポーズを紹介しました。内臓型冷え性は気がつきにくいだけでなく、免疫や胃腸の調子にも影響を与えます。
食事で内側からケアをするのに加え、ヨガポーズで内臓を活性化させることも重要です。ねじりや伸び縮みなどさまざまな動きを加えて、内臓をより活性化させましょう。
(記事、動画:ヨガインストラクターree先生)