ストレスとうまく付き合う方法のひとつに、「コーピングリスト」があります。コーピングリストを使えば、今までよりもっと毎日が楽しめるのではないかと考え、実践してみることにしました。しかし、思った以上にリスト化するのは難しく、なかなか作業が進みません。筆者の失敗談を交え、コーピングリストを実践した感想をまとめました。
コーピングリストを作ろうと思ったきっかけ
コーピングリストとは、ストレスに対処する方法をまとめたものです。ストレスを感じた時にリストにある行動をすることで、ストレスをコントロールするのに役立つと言われています。
コーピングリストについて知った時、「これはおもしろそうだ」と感じました。イライラしたり、不安になったりすることは誰にでもあること。コーピングリストがあれば、感情に流されて失敗することや、判断を誤ることが減るのではないかと考えたのです。
さっそくコーピングリストを作ってみることにしました。
作ろうとしたけれど大苦戦
コーピングリストを作るには、まず何にストレスを感じているかを明確にします。同時に、どんな点にストレスを感じるのかも具体的に考えると良いそうです。
次に、ストレスへの対処法を思いつくまま書きだします。目標は100個です。この時「できる・できない」「良い・悪い」を考える必要はありません。趣味や特技を生かしたものや、お金や時間のかからないものが良いとされています。疲れている時はネガティブな気持ちになりやすいため、心身が元気な時にコーピングリストを作るのも大切なポイントです。
筆者もさっそく「何にストレスを感じるか」について考えます。特に難しいと感じることもなく、数分のうちに書き終わりました。続いて、ストレスへの対処法を書きだします。
しかし、26個しかでてきません。この時点ですでに30分が経過。「自分にはストレス解消やリフレッシュ方法がこんなにも少ないのか!」と驚くとともに、自分はなんて面白みのない人間だろうと思えてきました。考えても思いつかないのが苦しくて、一度中断することに。後日あらためて取り組むことにしました。
再チャレンジ!
3日後、同じ方法で試してもうまくいかないだろうと考え、コーピングリストの作り方について調べることから再開します。すると「気分が上がること・もの」からコーピングリストを作ると良いとの情報を発見。
(1)直近3か月でうれしかったことや気持ちが上向きになったことを書きだす。
(2)その中で、とくに気分の上り幅が大きかったものをまとめる。
上記を見直すと、決まったものが自分に良い影響を与えてくれていることがわかるのだとか。さらに、ひとつのことから行動のバリエーションを作ると、コーピングリストの数を増やしやすいそうです。
私は、自宅で紅茶を飲むと心が元気になるのですが、「紅茶」をキーワードにあらためてコーピングリストを考えてみました。
- 紅茶を飲む
- 紅茶を買いに行く
- 紅茶に合うお菓子を買いに行く
- 新しい紅茶の情報をリサーチする
- 次に買う紅茶を選ぶ
- 紅茶の産地について調べる
「紅茶」から6個のコーピングリストができました!同じように以前書き出したコーピングリストを一つひとつ見直し、バリエーションを増やしていきます。100個には届きませんでしたが、80個ほどのコーピングリストができました。
一度目でうまくいかなかったのは、ストレス解消法やリフレッシュ方法を書き出すのに集中するあまり、行動のバリエーションを作る点に気が回らなかったからだと思います。「気分が上がること・もの」からバリエーションを増やすというやり方が、筆者には合っていました。コーピングリストがうまく作れない方は、ぜひこの方法を試してみてください。
コーピングリストを実践
数日後、コーピングリストを実践する時がやってきます。
筆者は臨機応変な行動が苦手です。そのため、その場ですぐに判断を求められたり、急遽何かをしなければならなかったりすると、ストレスを感じます。その日は急遽スケジュールを変更することになり、不安でドキドキしていました。うまくできるか・この後に影響はでないかと、頭の中をネガティブな言葉がぐるぐる回ります。
そこで、スマホに保存したコーピングリストから「次に買う紅茶を選ぶ」を選択し、実践してみることに。いつもなら一息ついた頃に紅茶を入れるのですが、あえていつもと違う行動をとってみます。
新しい紅茶が買えると思うと、情報収集にも熱が入ります。アッサムのミルクティーもいいな、たまにはフレーバーティーもいいかもと、つい夢中でリサーチしてしまいました。人は何かに集中すると、気がまぎれるものですね。頭の中は紅茶でいっぱいになり、不安な気持ちは和らいでいました。予想以上に効果を感じたので、今後もコーピングリストを活用したいと思います。
自分で自分を元気にする方法
ストレスをゼロにすることはできなくても、対処法を見つければずっと生きやすくなります。メンタルケアのツールとして、コーピングリストを作ってみてはいかがでしょうか。紙に書くのが面倒なら、コーピングリストのアプリもリリースされています。気になる方は、ぜひ試してみてくださいね。