「ストレス」と聞くと、ネガティブなイメージを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、適度なストレスは心身に良い影響をもたらします。しかし、体調に変化が起こるほどの過度なストレスは、当然ながら良くありません。過度なストレスが続くと、人は壊れてしまいます。
本記事では、ストレスとの上手な付き合い方について解説します。最近仕事がうまくいかない・毎日楽しくないと感じる方は、ぜひ参考になさってください。
ストレスとは
ストレスとは、外からの刺激によって体に生じた反応のことです。ストレスには暑さや寒さなどの物理的なものと、睡眠不足や病気などの生理的なもの、不安や緊張などの社会的・心理的なものがあります。
人間においては、社会的・心理的なストレスによる影響が大きいと言われています。社会的・心理的なストレスとは、具体的には仕事や家庭の問題、人間関係などのことです。日頃私たちが「ストレス」と呼んでいるものを思い出してみましょう。仕事の内容や量、家族や友人関係に関する悩みが多いはずです。
ストレスに反応すると、心理面、身体面、行動面の3つに影響がでます。
主なストレス反応 | |
心理面 | イライラ、不安、気分の落ち込み、興味や関心の低下など |
身体面 |
体の痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、 便秘や下痢、不眠など |
行動面 | 飲酒量や喫煙量の増加、仕事のミスや運転ミスなど |
上記の反応が一時的なものであれば、それほど心配する必要はありません。しかし、不調が長期にわたって続く場合は、過度なストレス状態にある可能性があります。場合によっては、病気を引き起こすこともあるのです。
ストレスが原因とされる病気には、下記のようなものがあります。
- 急性胃腸炎
- じんましん
- 自律神経失調症
- うつ
- 適応障害
- 突発性難聴
病気になってしまうと、元の状態になるまで時間がかかります。「心が限界かもしれない」と思ったときは、早めに専門家に相談しましょう。
ストレスの対処法6選
ストレスがたまっているな・心が疲れているなと感じた時は、その都度対処することが大切です。ストレスの対処法を6つ紹介します。
<休息をとる>
休日にも仕事について考えたり、「これをやらなければならない」と焦ったり、自分を追い込んでいませんか。気分の落ち込みや疲れは、休息が必要なサインです。何もしない時間を作って、ゆっくり休みましょう。
また、ストレスの原因から離れることも重要です。同じ経験をしても、ストレスに感じる人とそうでない人がいます。周りと比べて「自分も大丈夫なはずだ」とは思わず、心の声を大切にしてください。
<深呼吸をする>
不安や緊張状態にあると、呼吸は速く浅くなるものです。意識的に呼吸をすることで、自律神経のバランスが整いやすくなります。ポイントは、吸った時間の倍の時間をかけて息を吐き切ること。息を吐き切ると、より深く呼吸できます。すぐに心を落ち着けたい時にも効果的なので、ぜひ試してみてください。
<趣味に没頭する>
好きなことに没頭するのもストレスに効果的です。自分の好きなことを思いっきり楽しみましょう。ゲームをする・音楽を聞く・漫画を読む・ペットと遊ぶなど、なんでもかまいません。心から楽しいと思えることをして、たくさん笑ってくださいね。
<外出する>
普段ゆっくり出かける機会が少ないなら、外の空気を吸うのも良いでしょう。散歩やショッピング、スポーツなどをして日常生活から離れてみると、心が軽くなることがあります。自然豊かな場所に足を運ぶのもいいですね。
<家族や友人と話す>
1人で抱え込んで、ますますストレスが大きくなるのは良くありません。もやもやした気持ちを解消できない時は、親しい人に話してみましょう。解決方法が見つからなくても、話すだけで気持ちが落ち着くことがあります。
<紙に書く>
今の気持ちやストレスに感じていることを、紙に書きだすのも良い方法です。個人差はありますが、頭がすっきりして心が軽くなるのを感じませんか。
近年、「ストレスコーピング」という言葉も知られるようになってきました。コーピングとは、ストレスに対処するための行動という意味です。ストレスに感じている内容を紙に書き、客観的な視点で解決方法を考えてみるのも良いでしょう。
ストレスと上手に付き合おう
人は社会的・心理的なストレスの影響を受けやすいと言われており、過度なストレスはさまざまな反応を引き起こします。長期にわたって心身の不調に悩まされないよう、ストレスをためこまず上手に対処しましょう。