更年期の不調は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れによるものとされています。ヨガは自律神経を整える効果が期待できるため、更年期の不調におすすめのエクササイズです。つらい時こそヨガで心身を整えましょう。今回は、更年期におすすめのヨガポーズを紹介します。
更年期にヨガがおすすめの理由
更年期とは、閉経前後の5年間をさします。更年期はホルモンバランスが大きく変化するため、心身にいろいろな不調が表れやすい時期です。
不調の程度に個人差はあるものの、自律神経が乱れると更年期の不調が悪化することが知られています。不調と上手につきあっていくには、ホルモンバランスと自律神経を整えることが重要です。
ヨガが更年期におすすめの理由は、ホルモンバランスと自律神経を整える効果があるからです。ヨガには多くのポーズがあり、目的に合わせたポーズを取ることで不調や悩みにアプローチします。
まずは簡単なポーズを試してみましょう。毎日少しずつ継続すれば、更年期の不調が軽くなる可能性があります。
また、ヨガは基本的に腹式呼吸です。腹式呼吸をすると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスを調整する効果が期待できます。更年期によくあるイライラや気分の落ち込みにもおすすめです。
しかも、ヨガは体への負荷が少なく、運動が苦手な人でも取り組みやすいエクササイズといえます。自宅で好きな時間に、自分のペースでやってみませんか?
- 朝、活動前の準備運動として行う
- 時間の取れる昼に、好きなポーズをする
- 寝る前のリラックス時間に、ゆったりとヨガをする
適度に体を動かせば、ストレス解消にもつながります。
更年期におすすめのヨガポーズ
更年期の不調におすすめのヨガポーズを集めてみました。ぜひ試してみてください。
<合蹠(がっせき)のポーズ>
股関節や背中、腰回りの筋肉をほぐし、血行促進効果が期待できます。冷えやだるさ、疲労感の解消におすすめです。
- 座った状態で、両足の裏を合わせる
- 背筋を伸ばして足の親指をつかむ(膝が床から浮いてしまってもOK)
- 息を吐きながら上半身を前に倒し、ゆっくりと呼吸を繰り返す
- 上半身を元に戻す
- 1~4を3回ほどくり返す
体が硬く両足をつけるのが難しい場合は、できる範囲で行ってください。
<橋のポーズ>
内分泌系の不調や、前向きな気持ちになりたい時におすすめのポーズです。心身のリフレッシュや姿勢改善にも効果的といわれています。
- 仰向けになり、両ひざを立てる(膝の真下にかかとがくるようにする)
- 両手を体の横にぴったりとつけ、てのひらが下になるようにする
- 目線を天井に向け、あごを引く
- 息を吸いながら、お尻・お腹・胸を斜め後ろの方向に持ち上げ、そのままの状態で呼吸を続ける→余裕があれば手を体の真下に移動させ、指を組んでこぶしにする
- (手を移動させていれば両手を体の側面に戻してから)胸・お腹・お尻の順におろす
ポーズをとっている間は首の位置を固定し、顔を動かさないようにします。首が弱い人、肩や腕の関節に不安のある人にはおすすめできません。
<陰ヨガ>
陰ヨガとは、1つのポーズを3〜5分間じっくり行うヨガです。
- ストレスが溜まっている
- がんばりすぎている
- 気持ちの落ち込みが激しい
こんな時は深いリラックス効果が得られる陰ヨガを試してみましょう。
陰ヨガの代表的なポーズのひとつ「チャイルドポーズ」は、ヨガレッスンではお馴染みのポーズです。疲労回復効果が高いため、ポーズとポーズの間に行われます。
- 足の親指を重ねないように正座で座り、背筋をのばす
- 両手を前方の床につける
- 上半身を腰から前方に倒しておでこを床につけ、深く呼吸をする
チャイルドポーズは、体がだるくて動きたくない時でも取り組みやすいポーズです。覚えやすいポーズなので、寝る前の習慣にするのもいいですね。
ヨガをする時の注意点
<具合の悪い時は無理をしない>
更年期の不調は、日によって波があります。嫌な出来事があった・悲しい思いをしたなど、精神的なものが影響を及ぼすともいわれています。
具合が悪い時は無理せずにお休みしてください。少し元気が出てきたら、またヨガをはじめましょう。
腹式呼吸やシャバーサナ(仰向けに寝て目を閉じ、体の力を抜いて意識を呼吸に向けるポーズ・屍のポーズともいわれる)をするだけでもかまいません。自分のペースで行うのがヨガを継続するコツです。
更年期を前向きに乗り切ろう
ヨガはホルモンバランスや自律神経を整える効果が期待できるため、更年期の不調におすすめのエクササイズです。好きな時間に自分のペースで行うことで、習慣化しやすくなります。もし体調が悪く体を動かすのがつらいなら、無理せず休むことも大切です。心身の状態とうまく向き合いながら、更年期を前向きに乗り切りましょう。