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もしかしたら更年期かも?更年期の不調とは?

更年期にはさまざま不調が表れます。「最近疲れやすいな」と感じていても、更年期が原因の不調なのか、それともただの疲れなのか、自分で判断できない場合もあるでしょう。

 

今回は、更年期による不調の具体例とその対処法について解説します。更年期かもしれないと不安に感じている方の参考になれば幸いです



更年期の不調とは?

更年期は、ホルモンバランスが急激に変化する時期です。ホルモンバランスが乱れると、自律神経にも影響を与えます。さらに仕事のストレスや過労など複数の要因が重なって「更年期障害」と呼ばれる不調が表れます。

 

どのような不調が表れるか、不調の程度や出方には個人差がありますが、おおむね次のようなものです。

 

<身体的不調>

  • 疲れやすい
  • のぼせやほてり
  • 頭痛・腰痛
  • 汗をかく
  • 不眠
  • 動悸
  • 胃もたれ

<精神的不調>

  • 気分が落ち込む
  • イライラする
  • やる気がおきない

更年期でなくても、誰でも経験したことのある不調が多いと思いませんか?

不調の原因が更年期なのかわからない時は、「更年期症状評価表」を使うとよいでしょう。更年期症状評価表は、症状の程度を「強・弱・無」の3つにわけ、更年期障害かどうかを客観的に判断できます。

 

参照:日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会「日本人用更年期・老年期スコアの確立とHRT副作用調査小委員会」報告 -日本人女性の更年期症状評価表の作成- 2001年5月 https://dl.ndl.go.jp/pid/10707832

 

 

症状の程度

【強・弱・無】

 1 顔や上半身がほてる(熱くなる)  
2 汗をかきやすい  
3 夜なかなか寝付けない  
4 夜眠っても目を覚ましやすい  
5 興奮しやすく、イライラすることが多い  
6 いつも不安感がある  
7 些細なことが気になる  
8 くよくよし、憂鬱なことが多い  
9 無気力で疲れやすい  
10 目が疲れる  
11 物事が覚えにくかったり、物忘れが多い  
12 めまいがある  
13 胸がドキドキする  
14 胸がしめつけられる  
15 頭が重かったり、頭痛がよくする  
16 肩や首がこる  
17 背中や腰が痛む  
18 手足の節々や関節の痛みがある  
19 腰や手足が冷える  
20 手足(指)がしびれる  
21 最近音に敏感である  

あてはまるものが多く不調の程度が「強」が多いなら、更年期による不調かもしれません。

更年期の対処法は?

更年期の不調の原因は、ホルモンバランスの変化です。さらに、自律神経が乱れると不調が悪化することが知られています。自分でできる対処法は、日常生活で自律神経を整えるよう気を配ることです。

 

<食生活を見直す>

バランスの良い食事を心がけ、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足しないよう気をつけます。

 

そのうえで、大豆製品やビタミンEが多く含まれた食品を摂り入れましょう。ただし、何事もやりすぎは禁物です。一度に大量に食べる、そればかりを食べるのはNG。毎日少しずつ適量を摂るようにします。

 

<適度に運動する>

適度に体を動かし、自律神経のバランスを整えましょう。運動はストレス解消や気持ちを前向きにする効果が期待できます。散歩やストレッチ、ヨガなど自分が続けやすい方法を見つけてください。

 

<しっかり休む>

更年期の不調を乗り切るには、しっかりと休むことが大切です。睡眠時間を確保して体を休めましょう。

 

質の良い睡眠のためには、寝る前に強い光を浴びたり、深酒したりするのはよくありません。入浴や読書など、ゆったりした時間を過ごすのがおすすめです。日中軽い運動をすれば、睡眠の質もさらに向上するはずです。

 

<好きなことをする時間をもつ>

外出したり、趣味に没頭したり、自分の好きなことをする時間をもちましょう。更年期の不調が続くと、つい家に引きこもりがちになってしまいます。自分の好きなことをして、気持ちを前向きに保つことが大切です。

 

もし、気持ちが沈んで何もできない・体がだるくて起き上がれないなど、日常生活に支障をきたすほどひどいなら医療機関に相談しましょう。婦人科や更年期外来、女性外来などを受診するのがおすすめです。自分に合ったかかりつけ医を見つけて、定期的に受診すると安心ですね。

更年期障害では、主に下記のような治療が用いられます。

  • 薬物療法
  • カウンセリングや心理療法
  • 食事療法や運動療法

薬物療法では、ホルモン補充療法や漢方療法、精神的な不調がひどい場合は抗うつ薬や向精神薬が使用されます。投薬以外にも、カウンセリングや生活習慣の改善など自分に合った適切なサポートが受けられるため、不調が続いてつらい時は専門家の力を借りることも重要です。

まとめ

更年期はホルモンバランスが急激に変化するため、心身にさまざまな不調があらわれます。

身体的不調 精神的不調
  • 疲れやすい
  • のぼせやほてり
  • 汗をかく
  • 頭痛・腰痛
  • 不眠
  • 動悸
  • 胃もたれ

 など

  •  気分が落ち込む
  • イライラする
  • やる気がおきない

 など

 

 

更年期の不調とうまく付き合うには、日常生活で自律神経を整えるよう気を配ることが大切です。

  • 食生活を見直す
  • 適度に運動する
  • しっかり休む
  • 好きなことをする時間をもつ

もし日常生活に支障がでるようなら、医療機関に相談するのがおすすめです。婦人科や更年期外来では、その人に合った治療やサポートを受けられます。

今はつらくても、更年期の不調はいつか終わる時が来ます。不調と上手に付き合いながら、前向きな気持ちで過ごしましょう。