· 

アーユルヴェーダ式秋の乾燥ケアとは?|体の内側から潤うオイルを使ったケア方法を紹介

秋も一段と深まり、朝晩は冷え込むようになってきましたね。冷え込みと共に、肌の乾燥が気になり始めていませんか。「肌は最大の臓器」と考えるアーユルヴェーダでは、皮膚から内臓はすべて繋がっていて、一体化していると考えられています。そのため、肌が乾燥している場合は、内臓も乾燥していて不調の原因になると考えられています。アーユルヴェーダの健康の定義のなかに、“肌にツヤがある”ことが記されているほど、重要な肌の存在。今回は、肌がゆらぎやすい秋の乾燥対策についてご紹介します。



乾燥が引き起こされる要因とは?

アーユルヴェーダにおいて、人にはそれぞれ生まれながらに持っている性質(ドーシャ)があるとされている。ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(地)と呼ばれる、3つの要素によって構成されており、このドーシャバランスを取ることをアーユルヴェーダでは目指しています。しかし、秋は風の要素であるヴァータが優位になりやすく、ヴァータの特徴である軽さは、乾燥や冷えを招くとされています。さらに、このヴァータは年齢と共に優勢になり、それが老化を引き起こし、心の不安定さも招くと言われています。

ドーシャバランスについては、下記の記事を参考にしてください。

▼こちらの記事も読まれています▼

アーユルヴェーダとは?|心身ともに美しくなれるアーユルヴェーダについて紹介

アグニ(消化力)コントロールの考え方

アーユルヴェーダでは、体の老廃物を排出し、必要な栄養素を取り入れることを目指しており、それらの働きを担う胃や腸などの消化器が重要視されています。アーユルヴェーダにおいては、消化力はアグニと呼ばれており、日々変わるアグニの状態を、本来のバランスに整えることで、体の乾燥を防ぎ、若さを維持することを目指します。ヴァータが優位になる秋におすすめの、アグニバランスを整える食材については、アーユルヴェーダから学ぶ秋のおすすめ食材とは?秋に出やすい体の不調ごとにレシピも紹介を、ぜひ参考にしてください。

アーユルヴェーダ式秋におすすめのスキンケア方法とは?

アーユルヴェーダにおける乾燥ケアには、ヴァータが持つ軽さを調節するため、重さの象徴であるオイルをスキンケアに加えるのがおすすめ。今回は、秋に実践したい3つのスキンケア方法について紹介します。

 

●オイルを使ったセルフアビヤンガ

アーユルヴェーダには、セサミオイルやココナッツオイルに、薬草をブレンドしたものを温め、肌にオイルを浸透させる「アビヤンガ」と呼ばれるマッサージ方法があります。肌に浸透したオイルが、ヴァータを鎮め、乾燥や冷えにアプローチすることが可能に。さらに、マッサージによって全身の血行が良くなり、消化を担う内臓にも十分な血液が行き渡りやすくなるため、アグニコントロールも期待できます。アビヤンガは、背中を含めた全身をマッサージする方法のため、アーユルヴェーダサロンで施術を受けるのがおすすめですが、毎日サロンに通うのはなかなか難しいと思います。そこで、自宅で簡単にできるアビヤンガとして、「頭、耳、足裏」の3点マッサージを実践するのがおすすめです。この3点は、マルマと呼ばれる血液やリンパが集まるスポットになっており、細胞に栄養素を届け、乾燥しにくい肌を目指すためにも、毎日マッサージを行いたい箇所です。自宅でできる、セルフアビヤンガの方法については、アーユルヴェーダで体ケア!「簡単にできるセルフアビヤンガ(オイルマッサージ)の方法とは」を、参考にしてください。

 

●オイルでうがいをする「オイルプリング」

アーユルヴェーダでは、口内の毒素を洗い出す方法として、ごま油などのオイルを使ってうがいを行います。このアーユルヴェーダ式うがい方法は、「オイルプリング」と呼ばれ、歯茎を強くする、口臭を予防するなど、さまざまな効果が期待できます。さらに、口の粘膜を通して、オイルを体の内部に浸透させることができるため、体の内側から乾燥ケアができ、より高い保湿効果が期待できるのがGOOD!

 

▽オイルプリングの手順

  1. 太白ごま油やココナッツオイルを、耐熱容器に入れて湯煎で温める(温めることで抗酸化作用が高まりより効果的)
  2. 温めたオイル大さじ3杯を口に含む
  3. 口を上下左右にしっかりと動かし、口内全体にオイルを行き渡らせる
  4. 最後に喉にもオイルを届けるため、ガラガラうがいを行う
  5. オイルを吐き出す

うがいをしたオイルは、洗面所に流してしまうと、つまりの原因となるため、必ずティッシュなどにオイルを吐き出すようにしましょう。

 

●シルクの手袋を使った角質ケア「ガルシャナ」

「ガルシャナ」とはサンスクリット語で「摩擦」を意味する言葉で、乾いた布や絹の手袋で体をさする、ドライマッサージです。ガルシャナの摩擦によって、古い角質がはがれ、滞りがちな肌の新陳代謝が活性化されます。また、古い角質が取り除かれることで、オイルなどの成分を塗った時、肌への浸透力が格段にアップ!より高い保湿効果が期待できます。マッサージを行う際は、皮膚の構造と似た、18種のアミノ酸を含む絹の手袋を使用することがおすすめ。

 

▽ガルシャナマッサージの手順

  1. 代謝を促すための白湯を1杯飲む
  2. 足→手→お腹→首の順番で、乾いた布やシルクの手袋を使い心臓に向かって、優しく肌をさする
  3. 耳→顔→頭の順に、内側から外側に向かって、肌や頭皮を優しくさする
  4. 最後に温めたオイルを肌に塗布する

入浴前やヨガの前などに行うと、肌の新陳代謝が促されるためGOOD!

取り除くケアと補うケアをバランス良く行いましょう

ここまで、乾燥が気になり始める秋におすすめの、アーユルヴェーダ式美容方法について紹介しました。保湿ケアと言うと、肌に足りない保湿成分を補うケアを行いがちですが、保湿成分の効果を十分に発揮させるためには、まずは体から古くなった角質や老廃物を取り除き、肌の柔軟性を高めることが大切です。「排出」と「自分に合った栄養素の補給」を基本とするアーユルヴェーダは、バランスの取れた美容法ですので、ぜひ日々の乾燥ケアに取り入れてみてください。