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アーユルヴェーダとヨガの関係性とは?|2つをつなぐ”マルマ”という存在

ヨガとアーユルヴェーダは共に〝古代インド〟が発祥であることはご存じでしょうか?

どちらも、心身の調和を整える方法として、人々の日常生活の中で発展を遂げてきました。アーユルヴェーダは、マッサージといった美容法として紹介されることが多いですが、心身の状態を整える医学の側面を持つ健康法です。今回は、ヨガとアーユルヴェーダという、2つの健康法の関係性について紹介します。

◇アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダは、約5000年前からインドで継承されている、世界三大伝統医学の1つです。アーユルヴェーダでは、人間の体は「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーで構成されており、自分自身のドーシャの状態を知り、バランスを整えることで心身ともに健康を維持できると言われています。体の不調を感じた場合は、食事法やアビヤンガと呼ばれるマッサージなどの健康法で、ドーシャの状態を整えます。

 

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◇ヨガとは?

ヨガの起源は約4500年前のインドにあり、体、心、魂を神(あるいは宇宙)に結びつける修行法として誕生しました。ヨガとは、サンスクリット語で「つながり」を意味する言葉。最も古いヨガの聖典「ヨガスートラ」には、「ヨガとは心の作用の止滅である」と記されており、ヨガのさまざまなポーズを通じて、心を安定した状態に保つというのが目的です。ヨガの基本は、調身(ポーズ)・調息(呼吸)・調心(瞑想)の3つから構成されており、これらを組み合わせたさまざまな種類のヨガが存在します。

 

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◇ヨガとアーユルヴェーダは姉妹のような関係

同じ古代インドで誕生したヨガとアーユルヴェーダですが、両者は姉妹のような存在だと言われています。古代インドで生まれ、両者共に古代バラモン教の経典「ヴェーダ」をルーツに持つ、ヨガとアーユルヴェーダ。どちらも心身の調和を目的としていますが、実はアプローチの方法に少し違いがあります。

 

ヨガ

  • 呼吸や瞑想によって、自身の心に絡まる存在をそぎ落とし、悟りの境地に辿りつく
  • ヨガは心のコントロールを目的としており、その過程で体型が引き締まったり、健康になるといった効果が得られる(あくまでも目的は心の浄化)

アーユルヴェーダ

 

  • 自身が生まれながらにして持つ体質(ドーシャ)を考慮して、食事法などのライフスタイルを整える
  • 病気の予防や若さを保つことを目的とし、アーユルヴェーダの理論が用いられることがある
  • ドーシャバランスを整える手段として、瞑想やヨガが取り入れられている

 

このように、同じ心身の調和を目的としながらも、「ヨガは精神」「アーユルヴェーダは肉体」にアプローチする方法がとられています。両者が根付くインドでは、心身の調和を目指し、ヨガとアーユルヴェーダの両方が実践されています。

◇チャクラとマルマ

ヨガを習得する際に、「チャクラ」という言葉がよく使われます。チャクラとは、人間が持つ生命エネルギーが、出入りする場所と言われています。人間の体には、脊柱に沿って頭頂から尾骨部まで7つのチャクラが存在しており、すべてのチャクラはつながっているとされている。ヨガでは、この7つのチャクラすべてを解放し、エネルギーがバランス良く体を巡ることがよいとされ、チャクラを開くためのポーズも定義されている。一方で、アーユルヴェーダにも、生命エネルギーを活性化させるツボのような場所が存在します。マルマと呼ばれており、頭の先からつま先まで107箇所あります。実は、このマルマですが、7つのチャクラとほぼ同じ場所にあるとされている。そのため、チャクラを刺激するヨガを行うことで、同時にアーユルヴェーダのマルマも刺激することになります。ヨガを行うことで、自然とアーユルヴェーダを実践することもあり、やはりヨガとアーユルヴェーダは、切っても切れない関係です。

◇アーユルヴェーダもヨガも”自分と向き合うための時間”

今回は、アーユルヴェーダとヨガとの関係性ついて紹介しました。アーユルヴェーダもヨガも、考え方の基本は「自分の体に向き合い整えること」です。心身ともに不調な部分に向き合い、本来の状態を取り戻すための栄養素やエネルギーを送る。そのためには、自分自身をしっかり観察することが大切です。目まぐるしく物事が進む現代社会においては、自身の外側に意識が向いてしまいがちです。ですので、本来の自分の気持ちや体質に寄り添い、健康で若々しい生活を送るためにも、1日10分間自分自身と向き合う時間を作りましょう。