「梅雨になると毎年つらくなる」「じめじめした季節が来る前に、何かしておきたい」——
そう思いながらも、毎年何もできないまま梅雨入りしてしまう方はいませんか?
東洋医学では体に溜まった余分な湿気を「湿邪(しつじゃ)」と呼び、だるさ・むくみ・消化不良などの不調の原因と考えます。湿邪は梅雨が来てからケアするより、その前から対策をしておくことが大切です。梅雨入り前に、少しずつ体を整えておきましょう。
梅雨が来る前が実は一番大事
東洋医学の考え方に「治未病(ちみびょう)」という言葉があります。これは「病気になってから治すのではなく、なる前に整える」という考え方です。
湿邪も梅雨が本格化してから対処しようとすると、すでに体の中に湿が溜まった状態からのスタートになります。外からの湿気と内側の湿が重なって、ケアの効果が出にくくなってしまう。だからこそ、梅雨前の時期が体を整える絶好のタイミングなのです。
ヨガにおいてもポーズに入る前の準備が大切なように、季節の変わり目も「準備」が肝心。梅雨を快適に過ごせるかどうかは、それまでの過ごし方にかかっています。
食べ物で体の湿気を追い出す
東洋医学では、食べ物にも体の湿を取り除く働きがあると考えられています。積極的に取り入れたい食材は、利水作用(体の余分な水分を排出する働き)のあるものです。いくつか代表的な食材と、取り入れ方のヒントをご紹介します。
<はと麦>
利水作用が特に高いとされる食材の代表格です。白米に混ぜて炊くだけで手軽に取り入れられます。はと麦茶として飲んだり、冬瓜や小豆と組み合わせたりするのもおすすめです。
<小豆>
むくみが気になるときに特に心強い食材です。砂糖を控えた小豆茶として飲むと、甘いものを控えながら利水作用を得られて一石二鳥です。
<冬瓜>
水分が多く、体の余分な湿気を追い出す働きがあります。生姜と一緒にスープにすると、温める働きも加わります。
<とうもろこし>
とうもろこしのひげは、古くから漢方でも利用されてきた部位です。とうもろこし茶はノンカフェインのため、時間を選ばず飲むことができます。
また冷たいもの・甘いもの・脂っこいものは脾に負担をかけやすいので、梅雨の前には少し控えめにしておくのがおすすめです。
食事の温度にも気を配ってみてください。冷たいものより常温・温かいものを選ぶ習慣が脾を守り、水のめぐりをスムーズにしてくれます。
温めと小さな習慣で体の水はけを整える
食事と並んで大切なのが、体を温めることと、毎日の小さな習慣の積み重ねです。
東洋医学では「冷えは万病のもと」といわれますが、湿邪との関係も深く、体が冷えると水のめぐりがさらに滞りやすくなります。お風呂はシャワーで済ませず、湯船にゆっくり浸かる習慣を取り戻しましょう。38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分浸かるだけで体の芯から温まり、発汗とともに余分な湿気が排出されやすくなります。
体を動かすこともかかせません。朝のヨガやすきま時間のストレッチでも、体を動かすことで気血のめぐりが促され、水分代謝が上がるといわれています。特にねじりのポーズや前屈は、内臓を刺激して消化機能を助ける働きが期待できます。
睡眠もデトックスの一部です。疲労やストレスは、脾の働きを弱めると東洋医学では考えられています。23時前には床につくことを意識するだけで、体の回復力が高まりやすくなります。
今からできること
梅雨を快適に過ごすために事前にできることを、シンプルにまとめます。
- 飲み物を温かいものに切り替える
- 夕食に、はと麦や小豆を取り入れる
- お風呂は湯船に浸かる
- 朝にひとつ、体をねじる動きを入れる
- 23時前に寝る
はと麦や小豆は、スープや炊き込みご飯に混ぜると調理の手間も少なく手軽に取り入れられます。忙しくて毎日お風呂に浸かるのは難しいという場合は、週3日を目標にしましょう。じわっと汗をかくのを目安に、体を温めてください。
体をねじる動きが思いつかない方は、ヨガの三角のポーズはいかがでしょうか?座ったままのツイストでもOKです。
どれか一つ、今日から始めてみましょう。梅雨が来たとき「今年はなんだかいつもより体が楽かもしれない」と感じたら、それは体が整ってきたサインです。
また、漢方薬を取り入れてみるのも選択肢のひとつです。漢方は体質によって合うものが違うので、自分でなかなか選びにくいもの。セルフケアを試してもつらさが続くときは、漢方の専門家に相談してみましょう。
梅雨を快適に迎えよう
梅雨は毎年やってきますが、体の準備ができていれば過ごしやすく感じられるはずです。食事を少し見直す、湯船に浸かる、早めに就寝する。どれも今日からできる小さな一歩です。特別なことをしなくても、日々の習慣を丁寧に積み重ねることで体の変化を感じやすくなります。ヨガで培ってきた「体と向き合う力」を、この季節のセルフケアにもぜひ活かしてみてください。
