暦の上では秋でも、夏に逆戻りしたような暑い日があったり、朝晩は冷え込んだりと気温のアップダウンが激しい季節。心も体もついていけず「なんだかスッキリしないな」「疲れがとれないな」と感じることはありませんか?それは「秋バテ」が原因かもしれません。
前回の記事で秋バテの原因を解説しましたが、今回は具体的な対策を紹介します。毎日の生活に少しだけ工夫をして、心と体がホッと軽くなるようなセルフケアを始めてみません
毎日のルーティンで心身を整える【生活習慣編】
秋バテの主な原因である自律神経の乱れは、日々の小さな習慣を見直すことが大切です。
<睡眠の質を高める工夫をする>
秋の夜長は、質の高い眠りを得るのに絶好のチャンスです。ぐっすり眠れるように工夫してみましょう。
- 寝る前にぬるめのお風呂で体を温める
眠る90分〜120分前に、38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。体の中からじんわりと温まり、お風呂から出た後に深部体温がゆっくりと下がることで、自然と眠気が訪れます。熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまうので、42℃以上の熱いお風呂は避けるのがポイントです。 - 心地よい寝具を選ぶ
秋は日中と朝晩の寒暖差が大きい季節です。タオルケットだけでは寒いけれど、羽毛布団だと暑すぎる…。そんなときは、温度調節しやすい寝具を選びましょう。肌触りのよいパジャマや、吸湿性や放湿性の高い素材(シルクや綿など)の寝具もおすすめです。肌に直接触れるものだからこそ、心地よさを優先しましょう。 - 寝室の環境を整える
快適な睡眠のためには寝室の環境も大切です。室温は20〜22℃、湿度は40〜60%を目安に、エアコンや加湿器などを活用して調整してみてください。また、遮光カーテンやアロマディフューザーを使い、心身ともにリラックスできる空間作りをするのもおすすめです。
<寒暖差に負けない体を目指す>
気温の変化が激しい秋は体温調節機能がうまく働かず、自律神経が乱れやすくなります。自律神経への負担を減らす行動を心がけましょう。
- 服装選びに気をつける
朝晩と日中の気温差に対応できるよう、脱ぎ着しやすい薄手のカーディガンやストールを持ち歩くと便利です。首元・手首・足首など「首」とつく部分には太い血管が通っているため、この部分を温めると体全体が冷えにくくなります。おしゃれを楽しみながら、賢く体を守りましょう。 - 手軽な足湯でリラックス
寝る前に足湯をするのもおすすめの方法です。洗面器に少し熱めのお湯を入れ、足首まで浸すだけで全身の巡りが促されます。アロマオイルを数滴垂らすと、さらにリラックス作用が高まります。 - 朝日を浴びる
朝に太陽の光を浴びると、心身のバランスを整えるセロトニンというホルモンの分泌が促されることが知られています。体内時計をリセットし、秋バテに負けない体づくりをサポートしてくれます。
体の中から整える【食事編】
「食欲がない」「なんとなく胃がもたれる」といった不調を感じるときは、体を温め、エネルギーを補給する食材を意識して摂ることが大切です。
<体を温める食材で内側からポカポカ>
- ショウガやネギは体を温める代表的な食材です。ショウガは加熱した方が体を温める作用が高いといわれています。スープや炒め物に入れて、香りと風味を楽しみながら冷えを予防しましょう。
- ゴボウやレンコンなどの根菜類は、体を温める働きがあるといわれています。煮物やきんぴら、豚汁などにして積極的に摂りましょう。
<消化によい温かい食べ物で胃腸に優しく>
- 食欲がないときは無理に食べるのではなく、胃腸に優しいものを選びましょう。冷たい飲み物や生野菜は避け、温かいスープや味噌汁、煮物などを摂るのがおすすめ。胃腸への負担が減り、消化吸収もスムーズになります。
おすすめレシピ例
◇ショウガのポカポカスープ:鶏ひき肉に刻んだショウガを入れた鶏団子のスープです。鶏団子とお好みの野菜を鶏ガラスープで煮込めば完成。仕上げにショウガの絞り汁を入れると、さらに風味がアップ。
◇根菜たっぷりコク旨豚汁:ゴボウ、レンコン、ニンジンなど根菜をたっぷり入れた豚汁は体を温めるだけでなく、食物繊維も豊富で腸活にも役立ちます。根菜と豚肉の旨味があるので、だしを入れなくても十分おいしく仕上がります。
<旬の食材でビタミン・ミネラルをチャージ>
- 秋はサンマやきのこ、栗などおいしい食材がたくさんあります。疲労回復に欠かせないビタミンB1(豚肉、豆類)、免疫力維持に役立つビタミンC(緑黄色野菜、果物)、体調を整えるミネラル(海藻類、野菜類)などをバランスよく摂り、旬の恵みを楽しみながら栄養補給をしましょう。
ゆるめる運動で心と体をリフレッシュ【ヨガ編】
「運動しなきゃ」と思っても、体調がすぐれないと億劫になりますよね。そんなときは激しい運動ではなく、自律神経をサポートするようなゆったりとしたヨガがおすすめです。心と体を優しくほぐして、リラックス効果を高めましょう。
<呼吸を深めるヨガ>
- ヨガの基本は「呼吸」です。深くゆっくりとした呼吸は、心と体をリラックスさせる副交感神経を優位にしてくれます。楽な姿勢で座ってゆっくりと鼻から息を吸い込み、口から細く長く吐き出すことを繰り返してみましょう。たったこれだけでも張り詰めていた心が落ち着き、穏やかな気持ちになれます。
<緊張を和らげるヨガポーズ>
- 背骨や骨盤周りの緊張をほぐすことで全身の巡りが促され、体がスッキリします。
おすすめのヨガ
◇チャイルドポーズ:正座から体を前に倒し、おでこを床につけるポーズです。全身の力が抜け、心も体もリセットされる感覚を味わえます。赤ちゃんのように安心して体を預けるイメージで、肩や腰をゆっくりと伸ばしましょう。
◇猫と牛のポーズ:四つ這いになり、背骨を丸めたり反らせたりするポーズです。自律神経が集まる背骨を柔軟にすることで、心と体のバランスが整いやすくなります。背骨の動きを意識しながら、ゆっくりと心地よく動いてみましょう。
自分に合った対策を見つけて元気に秋を過ごそう
秋バテの対策には、日々の生活の中でできる小さな工夫を積み重ねていくことが大切です。今日は気分が乗らないと感じたときは、休んでも大丈夫です。睡眠・食事・ヨガの3つの側面からアプローチして、軽やかな心と体で秋を乗り切りましょう。
