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もしかして「秋バテ」かも?夏の終わりに感じる不調の原因とは

夏の暑さが和らぎ過ごしやすい季節になったはずなのに、なんだか体の調子がいまいち。朝起きてもスッキリしない、やる気が出ないということはありませんか?

夏から秋にかけての季節の変わり目に感じる不調は、「秋バテ」かもしれません。秋バテの原因は、夏の過ごし方やこの季節特有の環境に深く関わっています。この記事では、あなたの秋バテがどこからきているのか、その根本的な原因を解説します。



秋バテとは?その症状とメカニズム

「秋バテ」という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。秋バテとは、夏の間に溜まった体の疲れが秋になってから現れる「遅延型の夏バテ」のような状態です。食欲不振や体が重いといった症状に加え、次のような不調が現れます。

  • だるさ
  • めまい
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 集中力の低下
  • 不眠

これらは、主に自律神経のバランスが崩れることで引き起こされます。自律神経は私たちの意識とは関係なく、体温や血圧、内臓の働きを調整する重要な役割を担っています。秋バテは、この自律神経がうまく働かなくなったことで起こる全身の不調です。秋バテは病気ではありませんが、不調が長引く場合は医療機関に相談しましょう。

 

なぜ秋バテになる?体調不良の4つの原因

秋バテになるのは、主に4つの原因が考えられます。

 

原因1:夏に受けたダメージが、秋に不調を引き起こす

夏バテは食欲不振やだるさなどが代表的な症状ですが、そのダメージが解消されないまま過ごしていると、秋バテとして表面化することが少なくありません。

 

暑い夏の間、冷えきった部屋で長時間過ごしたり、冷たい飲み物を飲みすぎたりしていませんか?このような生活を続けていると気づかないうちに内臓が冷え、自律神経の乱れにつながります。また、熱帯夜による寝苦しさからくる睡眠不足も、体の疲労回復を妨げる大きな要因です。例えば、日中の活動でダメージを受けた細胞は睡眠中に修復されますが、十分な睡眠が取れないと修復が追いつきません。こうした夏のダメージが雪だるま式に積み重なると、秋バテを引き起こす要因となります。

 

夏バテのダメージを秋まで持ち越さないためには、体を内側から温めることが大切です。例えば、冷たい飲み物を控えて温かいお茶やスープに切り替えたり、湯船にゆっくり浸かる時間を設けたりしましょう。体を温めることで血行が良くなり、夏の間に溜まった疲労物質が流れやすくなります。また、睡眠の質を高めるために寝具を整えたり、寝る前にスマホを見るのをやめたりするのも効果的です

 

原因2:秋の急な寒暖差が、自律神経を乱れさせる

秋バテの主な原因の一つに、秋特有の急な気温の変化があります。朝晩は冷え込むものの、日中は汗ばむほどの陽気。この大きな寒暖差に対応するため、私たちの体は体温調節を司る自律神経をフル稼働させています。

 

例えば暖かい日差しの中を歩いたり、冷房の効いたお店に入ったり、夜には冷たい風に吹かれたり……。まるでジェットコースターに乗っているかのように、常に体にストレスがかかっている状態です。自律神経は体温を一定に保とうと頑張っていますが、調節機能が追いつかなくなるとバランスを崩してしまいます。これにより、体のだるさやめまいなどの秋バテの症状が引き起こされるのです。

 

秋の寒暖差に対応するためには、体温調節がしやすい服装を心がけましょう。朝晩の冷え込みに備えて、ストールやカーディガンなどを持ち歩くのもおすすめです。特に首元を冷やさないようにすると、自律神経の乱れを防ぐことにつながります。また、疲れているときは無理をせず、適度に休憩を取ることも大切です。小さな工夫の積み重ねが自律神経への負担を減らし、秋バテの予防になります。

 

原因3:気圧の変化が体にストレスをかける

秋は台風や低気圧が多く発生する季節です。この急激な気圧の変化も、秋バテを悪化させる一因となります。

 

気圧が下がると私たちの体は血管が拡張し、副交感神経が優位になります。しかし副交感神経が優位になりすぎるとだるさを感じたり、関節が痛んだり、頭痛が悪化したりといった秋バテの症状が出やすくなります。また、耳の奥にあるセンサーが気圧の変化を察知し、めまいや吐き気など秋バテ特有の症状が出ることも。交感神経と副交感神経が、状況に合わせて適切に切り替わることが大切です。

 

軽いストレッチやウォーキングなどの適度な運動は血行を促し、だるさを軽減する効果が期待できます。天気が悪い日は体の声に耳を傾け、無理をせずゆったりと過ごしましょう。

 

 

原因4:東洋医学から見た秋バテの原因

東洋医学において、秋は肺の働きと深い関わりがある季節。秋は徐々に空気が乾燥してくるため肺の機能が弱まり、風邪を引きやすくなったり、肌荒れが悪化したりすると考えられています。

東洋医学の考えに基づくと、秋バテ対策にはキノコ類や山芋、納豆などの気を補う食材を摂るのがおすすめ。食材の面から体を整えることも、不調の改善につながります。

秋バテの原因を知ることが改善への第一歩

自分の不調の原因が一時的なものなのか、季節の変わり目によるものなのかを理解することは、秋バテを乗り越えるための重要な第一歩です。まずは自分の体と向き合い、夏の過ごし方や日常生活を振り返ることから始めましょう。次回は、秋バテを改善するための具体的な対策についてご紹介します。

 

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