日差しが強くなり、気温がぐっと上がる夏。私たちの体は知らず知らずのうちに熱をため込みがちです。水分補給や適切な休憩はもちろん大切ですが、実はヨガが夏の暑さに対応できる体づくりに役立つことをご存知でしょうか? ゆったりとしたヨガの動きと深い呼吸は体にこもりがちな熱を穏やかに解放し、自律神経のバランスを整える助けとなります。この記事ではヨガ初心者から熟練者まで、熱中症予防におすすめのヨガポーズをご紹介。ヨガを通して夏を快適に過ごす準備を始めませんか。
熱中症予防におすすめのヨガポーズ3選
1) チャイルドポーズ
チャイルドポーズは、まるで赤ちゃんがお母さんのお腹にいるような安らぎを感じさせるポーズです。心身を深くリラックスさせ心拍数を穏やかに落ち着かせることで、体が自然とクールダウンできるようにサポートします。夏の暑さで疲れた心身を優しく癒したい時におすすめです。
<やり方>
- 正座の姿勢からスタート。お尻をかかとの上に乗せ、息をゆっくりと吐きながら上半身を前に倒し、おでこを床につけます。
- 腕は体の横か頭の前に伸ばします。*心地よいと感じる位置を選びます。
- 手のひらを上に向けて肩や背中の力を抜き、体全体が床に沈み込むような感覚を味わいましょう。
- 深い呼吸を繰り返しながら3分〜5分程度、ポーズをキープします。体の緊張が解けていくのを感じてください。

<ポイント>
- お尻がかかとから浮いてしまう場合は、お尻と足の間に丸めたブランケットや畳んだタオルなどを挟みましょう。安定感が増し、よりリラックスしやすくなります。
- おでこが床につかない場合は、手のひらを重ねてその上におでこを乗せるか、ヨガブロックを立ててその上におでこを置きます。首への負担を軽減し、快適にポーズを深めることができます。
- 呼吸に意識を集中し、吐く息とともに体から余分な熱や緊張が手放されていくイメージを持つと、よりクールダウン効果を実感しやすくなります。
2)猫と牛のポーズ
猫と牛のポーズは背骨の柔軟性を高め、全身の血行を穏やかに促すポーズです。体の巡りが良くなることで熱がこもりにくく、バランスの取れた体づくりをサポートします。また、呼吸と動きを連動させることで心身の調和を促し、自律神経のバランスを整えることにもつながります。
<やり方>
- 四つん這いになり、肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるように手足をセットします。手のひらは大きく広げ、指先で床をしっかりと捉えましょう。
- 息をゆっくりと吐きながら背中を大きく丸め、おへそを覗き込むようにします(猫のポーズ)。尾てい骨を床に向けて引き込み、背骨全体が天井に向かって伸びるようなイメージを持ちます。
- 次に、息を吸いながらゆっくりとお腹を床に近づけ、目線を斜め上に向けます(牛のポーズ)。背骨全体がしなやかにカーブするのを感じましょう。このとき、首を後ろに反らしすぎないよう注意し、顎を引き気味にするのがポイントです。
- 呼吸に合わせてこの一連の動きを10回程度、自分のペースで繰り返します。

<ポイント>
- 背骨一つ一つを意識して、しなやかに動かすことを心がけましょう。動きと呼吸を連動させることで、体の内部から血行を促すことができます。
- 手首に負担がかかる場合は手のひらの付け根ではなく、指の付け根で床を押すように意識すると軽減されます。手の下にタオルを敷くのも良い方法です。
3) 仰向けのねじりのポーズ
仰向けのねじりのポーズは体幹を優しくねじることで体の側面の筋肉を伸ばし、同時に内臓に穏やかな刺激を与えるポーズです。体の緊張を和らげ、クールダウンを促す効果が期待できます。また、背骨の歪みを整えることにもつながり、全身のリラックスをサポートします。
<やり方>
- 仰向けに寝て、足を揃えます。
- 右膝を胸に引き寄せて左手を右膝の外側に添え、左側の床へ膝を近づけます。
- 右手を肩の横へ伸ばし、顔を右へ向けます。
- 数呼吸キープしたら息を吸いながら膝を中央に戻し、反対側も同様に行います。左右均等に行い、体のバランスを整えましょう。

<ポイント>
- 肩が床から浮きやすい場合は、無理に膝を床につけようとせず、心地よいと感じる範囲でねじりましょう。床から肩が浮かないことがポイントです。
- 膝を床に近づけた際、内腿の下にボルスターやブランケットなどを置くと、よりリラックスしてポーズを深めることができます。
熱中症予防にヨガをする上で気を付けること
ヨガは熱中症予防に役立つ健康習慣ですが、暑い季節に行う際にはいくつかの注意点があります。安全に、そして効果的にヨガを行うために以下の点に気をつけましょう。
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水分補給はこまめに
ヨガ中も体は汗をかくため、こまめな水分補給は必須です。喉が渇く前に、常温の水やスポーツドリンクを少しずつ飲むようにしましょう。 -
無理は禁物
暑い中で無理なポーズや激しい運動を続けると、かえって体調を崩す原因になる可能性があります。自分の体の感覚に耳を傾け、痛みや吐き気などの異変を少しでも感じたらすぐに中断して休憩を取りましょう。また、体調が優れない日は無理せずヨガを休んでください。 -
涼しい環境で行う
エアコンや扇風機を適切に利用して室温を快適に保ち、風通しの良い場所で行いましょう。屋外で行う場合は日差しが強くない早朝や夕方を選ぶ、日陰で行うなどの工夫をしてください。 -
食後すぐは避ける
食後すぐのヨガは、体に負担をかける可能性があります。食後2時間以上あけてからヨガを行うようにしましょう。 -
ヨガ後のクールダウンを意識する
ヨガの後は軽くシャワーを浴びたり、濡らしたタオルで体を拭いたり、涼しい場所で休憩するなどして体を徐々にクールダウンさせましょう。急激な温度変化は体に負担をかけることがあるため、ゆっくりと体温を平常に戻すことが大切です。
ヨガは心身のバランスを整え、日々の生活に穏やかさをもたらす習慣です。自分のペースで日々の生活にヨガを取り入れ、夏の暑さに負けない健やかで快適な毎日を過ごしてくださいね。
