「最近、なんだか疲れやすい」「仕事でミスが増えた」「眠れない夜が続いている」など、心当たりはありませんか?現代社会を生きる私たちにとって、メンタルヘルスへの理解はかつてないほど重要になっています。心の健康を維持して活動的に過ごすために、メンタルヘルスについて知っておきましょう。
メンタルヘルスとは何か
『世界保健機関(WHO)職場のメンタルヘルス対策ガイドライン』では、メンタルヘルスを「自分の能力を発揮し、よく学び、 よく働き、自身の所属するコミュニティに貢献することができる、精神的なウェルビーイングが保たれている状態である」としています。つまり、単に心の健康に問題がないことを意味しているのではないということ。心理的・感情的に健康であり、社会的なつながりを持っている状態を指しています。

なぜメンタルヘルスが重要なのか
メンタルヘルスが私たちの生活に与える影響は、想像以上に大きなものです。たとえば、メンタルヘルス不調になると、仕事や学業のパフォーマンスが低下したり、人間関係に支障をきたしたりします。最終的には体の調子に影響を及ぼすこともあるでしょう。つまり個人としても社会としてもマイナスということ。具体的には、次のような影響が考えられます。
【職場での影響】
- リスク評価が適切にできなくなったり、優先順位がつけられなくなったりする
- 重要な決断を下す際の判断力が鈍る
- 部下や仲間へのサポートがうまくできない
- チームワークが悪くなり、全体のパフォーマンスが低下する
【学校での影響】
- 集中力や記憶力、理解力などの学習に必要な基本的な能力が低下する
- 試験で本来の実力が発揮できない
- 進路を考える際の判断力が低下する
- 目標設定がうまくできない
メンタルヘルス不調になるといつもならできていたことができなくなり、キャリアや進路に影響がでる可能性があります。近年メンタルヘルスが注目されているのは、人生や生活の質に大きく関わるからです。

しかし、現代社会にはメンタルヘルスを損ないやすい要因が多数存在しています。たとえばデジタル化や働き方の変化、社会的なプレッシャーが増えていることなどが大きな要因です。そのため、メンタルヘルスケアの重要性が高まっています。
メンタルヘルスに影響を及ぼす要因の例
- スマホの普及によりいつでも連絡がとれるため、仕事とプライベートの境界が曖昧になっている
- SNSでつい他人と比較してしまう
- 在宅勤務の増え、同僚とコミュニケーションをとる機会が減った
- 常に新しいスキルや目に見える成果を求められる
- 終身雇用ではなくなり、競争が激しくなった
- 異動後の職場になじめない
メンタルヘルスケアと対処法について知ろう
メンタルヘルスケアとは、すべての人が健やかでいきいきと活動できるように気配りや援助をすること、またそのような活動が円滑に行われる仕組みを作って実践することです。難しそうに聞こえるかもしれませんが、メンタルヘルスケアは決して特別なことではありません。
- 食事と睡眠を十分にとり、適度な運動をする
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 上手に気分転換をして、ストレスを発散する
- 休日は趣味や好きなことに没頭する
- 家族や友人、同僚との交流をする
- 仕事や勉強の途中に休憩時間を設ける
- 自分で解決できないことや不安なことを周囲の人に相談する

上記は日常生活の中でできる基本的なメンタルヘルスケアです。栄養をしっかり取って体を休め、心穏やかに過ごす時間を作ること。これも立派なメンタルヘルスケアです!メンタルヘルスケアは誰もが身につけるべき現代の必須スキル。この機会に自分の生活を振り返り、生活習慣や時間の使い方を見直してみませんか?
それってメンタルヘルス不調かも?
もし次のようなサインがある場合は、メンタルヘルスに異変が起きている可能性があります。
【身体的なサイン】
- 寝つきが悪く、途中で目が覚める
- 食欲の増減が激しい
- 原因不明の頭痛や胃の不調が続く
- 疲れがなかなかとれない
【精神的なサイン】
- イライラしたり、不安に押しつぶされそうになったりする
- 集中力が続かない
- 些細なことで落ち込んでしまう
- 将来に対して悲観的になる
【行動面でのサイン】
- 趣味や楽しみに興味が持てなくなった
- 遅刻や欠勤が増える
- 人との付き合いを避けてしまう
- アルコールの量が増えた
上記のサインがしばらく続いているときや日常生活に支障がでている場合は、専門家へ相談しましょう。困ったときは一人で抱え込まず、周囲の人に助けてもらうことも大切です。
