「どうも以前より疲れやすくなった」「最近鏡を見るとシワやシミが増えている」と感じる人は、体のエイジングが進んでいるサインかもしれません。
肌にシミやシワが増えたり、体の新陳代謝が低下するなど、年齢を重ねると体は徐々に変化していきます。
体が変化していくのは自然な流れですが、そんな体や肌のエイジングを急激に加速させてしまう原因があることをご存じでしょうか?
その原因の一つと言われているのが、「糖化」です。「糖化」とは、体内に存在するタンパク質や脂肪が、余分な「糖」と結びつくことで起こる現象で、近年のアンチエイジング研究においても注目を集めています。
今回は、「糖化」の原因や肌や体に現れる変化について紹介します。
糖化とは?
糖化とは、体の中のタンパク質や脂肪が余分な「糖」と結びつくことで、AGEsと呼ばれる老化物質が作られてしまう現象です。
つまり、糖化が進んでいるというのは、細胞内のAGEsが増えている状態を表しています。
AGEsとは、糖がこびりつき本来の機能を失ったタンパク質のことで、このAGEsが細胞内や臓器にあると炎症を引き起こしてしまい、肌や臓器の老化がスピードアップしてしまいます。
糖化によって生まれるAGEsは、褐色で硬いのが特徴なため、肌にAGEsが蓄積されている場合、シミやくすみとして表面にあらわれるように。
また、近年の研究によるとAGEsはアルツハイマー病の原因の一つとされており、健康な人に比べアルツハイマー型認知症の方の前頭葉には、3倍多くのAGEsが存在していることが確認されています。
なぜ糖化が起こるの?
糖化の要因となる糖は、普段私たちが口にしている食事が元となっています。
通常、体の中に入った糖は体や脳を動かすエネルギーとして使われるため、糖は生命を維持するために欠かせない栄養です。
しかし、甘いお菓子やジュース、菓子パンなど糖を多く含む食品をよく食べる人は、糖を必要以上に摂取してしまい血液中に糖が余ってしまうことに。糖が血液中に余ってしまい、血糖値が高い状態が続くとタンパク質や脂肪と結びついてしまい、糖化が起きてしまいます。
糖化が進むと体はどうなる?見た目の糖化サインとは?
糖化により、体のタンパク質が老化物質であるAGEsに変化してしまうと、さまざまな不調を引き起こすとされています。とくに見た目の変化はわかりやすく、糖化が進むと年齢以上に老け顔になると言われています。
●肌のコラーゲンを劣化させ「シワ、たるみ、くすみ」を引き起こすAGEs
コラーゲンは体内を構成するタンパク質の一つで、人の体のタンパク質の30%はコラーゲンとされており、肌をはじめ髪の毛、骨、粘膜や血管などあらゆる場所に存在しています。
肌においては、肌内部にある真皮層に多くのコラーゲンが存在しています。
通常、この真皮層のコラーゲンは古いものを分解し、新しいものを合成することで、コラーゲンの質は維持されています。
ところが、コラーゲンが増えすぎたAGEsと結びつくことで、細胞が硬くなってしまい分解されにくい状態に。
古い細胞が分解されないことで新しいコラーゲンが作られず、劣化したコラーゲンが肌に居座り、くすみやシワ、肌の弾力低下によるたるみの原因となります。
●白髪や抜け毛の増加
肌と同じように、頭皮も糖化によるAGEsの増加の影響を受けやすい場所です。
健康な髪の毛は、コラーゲンで支えられている頭皮、髪の毛が生まれる毛乳頭、髪の色の元を作る毛母細胞、ケラチンと呼ばれるコラーゲンの一種でできている毛髪、この4つからできていますが、これらすべての場所に糖化による影響は出てきます。
増えすぎたAGEsがそれぞれの細胞のタンパク質を劣化させてしまい、本来の機能を失わせることに。
とくに毛乳頭は髪の毛の司令塔の役割を担っているので、毛乳頭の働きが悪くなると、抜け毛、白髪、切れ毛の原因となるため、髪の毛の不調を感じる場合はとくにケアが必要!
上記以外にも
●疲れやすくなった
●判断力が落ちている
●とっさに行動できなくなっている
●食後に強い眠気を感じる など
このようなサインが現れている場合は、糖化が進んでいる可能性があります。さらに糖化が進むことで、動脈硬化や白内障、骨粗しょう症といった病気を引き起こす場合もあるので要注意!
糖は大事な成分だから距離感が大切
ここまで、糖化がどのように引き起こされるのか、糖化のサインはどのように体に現れるのかについて紹介しました。
糖は糖化を引き起こす原因として厄介な存在ですが、私たちの体や脳を動かすためのエネルギーとしてとても大切な栄養でもあります。
ですので、糖質を完全に断つのではなく、摂取する量やタイミングなど、自分自身に合った糖質との付き合い方を考えることが大切です。
次回、糖質との付き合い方について紹介します。