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アーユルヴェーダから学ぶ花粉症との付き合い方

外を歩いていても気持ちがよい季節になってきましたね。

 

それと同時に、「クシュン」というくしゃみが止まらない、のどがイガイガする、目がかゆくて辛い、このような症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか。

 

これらの症状は、今や日本の国民病と言われている花粉症の代表的な症状です。

花粉症の場合、おおよそ5日ほどで完治するウイルス性の風邪とは異なり、花粉の飛散が収まるまでは症状が続いてしまうため、気力や体力も奪われてしまい、気分も憂鬱になることも。

 

今回はそのような辛い花粉症の症状をアーユルヴェーダの観点から緩和する方法や、花粉に負けないための体の整え方を紹介します。



花粉症とは?

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー疾患です。

くしゃみ、鼻水といった鼻の症状や、目のかゆみ、充血といった目の症状が一般的ですが、皮膚のかゆみ、のどの痛みやかゆみ、せき、頭痛、発熱などの症状があらわれることもあります。

アーユルヴェーダにおける季節の過ごし方(リトゥチャリア)とは?

アーユルヴェーダにおいて、人にはそれぞれ生まれながらに持っている性質(ドーシャ)があるとされ、これらの性質は、ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水と地)と呼ばれる、3つの要素によって構成されています。

この3つの要素は、外気温など季節的要因の影響を受けやすいため、その季節に応じて3つのドーシャのバランスを取ることをアーユルヴェーダでは目指しています。

 

ドーシャバランスについては、下記の記事を参考にしてください。

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アーユルヴェーダにおける立春〜の季節とは?

アーユルヴェーダでは、2月の立春を過ぎると水と地のエネルギーを持つカパが上がるシーズンとされています。雪解けにより水量が増える川、水分を含みツヤツヤと輝く木々の新芽、そして新しい生命の誕生など、みずみずしい生命力に溢れた季節と言われています。

 

カパ(水と地)が増えるとどのような影響があるのか?

生命を育むためにとても大切な性質であるカパですが、増えすぎてしまうと以下のような症状が体に現れます。

  • 花粉症
  • 鼻炎
  • 倦怠感
  • むくみ
  • 便秘

これらの症状は、水の性質を持つカパが増えすぎてしまうことで、体内の水分バランスが崩れてしまい、引き起こされるとされています。

 

とくに花粉症は、冬に溜めこんだ老廃物がカパの影響で一気に排出されることで体の浄化システムが疲弊しているところに、花粉が体内に進入してくるので、免疫機能が上手く作用せずひどい症状に悩まされることも。元々、カパの性質を持つ人は花粉症になりやすいので特に注意が必要です。

 

アーユルヴェーダにおけるドーシャタイプについては、下記の記事を参考にしてください。

 

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アーユルヴェーダにおけるドーシャは、生まれつきその人が持っているバランスを保つことで自己免疫機能が正常に作用するとされているため、1つのドーシャだけが増えすぎないように調整することが大切です。

ですので、花粉症の症状を和らげるためには、春に増えやすいカパを減らすよう調整しましょう。

◇アーユルヴェーダ式花粉症の対処方法とは?

アーユルヴェーダは、ハーブやスパイスなどの食物は薬であり、日々の暮らしの中で作られる料理を使って体を癒やすことを基礎とした伝統医学です。

ですので、花粉症の症状を改善するためには、まずは自分の体の状態を把握して、生活習慣を見直すことが大切です。

花粉症の症状の原因となるカパには、「冷」「油」「重」「粘性」「甘味」といった性質があるため、体の調整期間中はこれらの性質を含む商品は避けるのがベター

花粉症の症状が気になる場合、次のことを実践してみましょう。

 

●ヨーグルトやチーズなどの乳製品は控える

牛乳やチーズといった乳製品には、「油」「重」「粘性」「甘味」といったカパを増やす性質があるため、調整期間中はアーモンドミルクなどの植物性ミルクを代替品とするのがおすすめ。

 

●チョコレートやクッキーなどの甘い物を控える

特に砂糖が多く使われる洋菓子は、カパを増やす「甘味」の性質を持つだけでなく、腸に溜まってしまい消化力の低下を招く可能性があるので要注意。

 

●苦味や渋味のある食材を取り入れる

苦味や渋味はカパを静める「冷性」や「乾燥性」の性質を持っているため、体内で増えすぎてしまったカパを減らすことが期待できるのでGOOD!

 

コーヒーや緑茶といったカフェインを含む飲み物や、春先が旬であるフキノトウやカリフラワーといった葉物野菜や、レンコンやカブなどの根菜も苦味や渋味を含む食材です。

 

●白湯を飲む

白湯は水を火にかけて沸かすことから、カパ=水、火=ピッタ、湯を沸かすことで風が生まれる=ヴァータ、このようにアーユルヴェーダにおける3つの要素が揃う最強の飲み物と言われています。

そのため、白湯を飲むことで増えてしまったカパを静め、ドーシャバランスが整うとされています。

 

●ターメリックを摂る

スパイスには体を整える効果があり、アーユルヴェーダの食事療法でも重要な役割を担います。とくにアーユルヴェーダにおいて代表的なスパイスであるターメリックには、抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、花粉に対する抵抗力を高めるとされています。

 

●ユーカリやペパーミントのアロマを取り入れる

カパが持つ「粘性」の影響で鼻水や痰の症状が出ている場合は、スーとした香りが分泌物の粘り気を和らげ、咳止めや痰切りの効果があるユーカリやペパーミントの香りをライフスタイルに取り入れるのがおすすめ。

◇アーユルヴェーダの考え方の基本は「自分の体に向き合い整えること」

ここまで、アーユルヴェーダの考えに基づいた花粉症の症状を緩和する方法を紹介しました。

 

花粉症をはじめ、体の不調を改善するためには、今の自分の体が何を欲しているのかを探し、補うことが大切です。

 

実は、私たち日本人が好む「新米」は水分が多く消化に重いだけでなく、粘液を分泌させるため、カパの性質を持つと言われています。そのため、アーユルヴェーダ的には花粉が気になる時期だけでも、新米に比べて水分が抜けている「古米」の方がおすすめです。ただ、美味しい新米も食べたいですよね。そのような時は、ターメリックをたっぷり使ったカレーと一緒に摂るなど、食材の組み合わせでバランスを摂るなどして、無理のない範囲でアーユルヴェーダをライフスタイルに取り入れてみてください。