体の不調の原因となるアーチ構造の崩れや浮足には要注意!
私たちが立つ・歩くなどの行動を行えるのは、足のアーチ構造のおかげです。アーチ構造には足をスムーズに踏み出す・地面からの衝撃を緩和する・姿勢を維持するなどの働きがあります。そのため、アーチ構造が崩れると、さまざまな不調につながります。また、重心がかかと側になっている「浮足」も、反り腰や巻き爪の原因となるため注意しましょう。
アーチ構造の崩れや浮足は、体にどのような変化をもたらすのでしょうか。具体例をあげて解説します。
なぜアーチ構造が重要なのか
足のアーチ構造には主に3つの働きがあります。
- 足を踏み出す
- 地面からの衝撃を緩和させる
- 姿勢を維持する
足のアーチ構造が崩れて上記の働きがうまく機能しなくなると、つまずきやすくなる・歩くのが遅くなるなどの歩行トラブルが生じます。また、足裏の衝撃をうまく緩和できないため体全体に負担がかかり、腰痛や肩こりなどの不調につながる可能性もあります。痛みを感じることなくスムーズに歩くには、足のアーチ構造を保つことが重要です。
アーチ構造が崩れるとどうなる?
アーチ構造が崩れると、歩行トラブルや体の不調につながるだけでなく、足の形にも影響が表れます。具体的には次のような症状に注意が必要です。
開張足 | 横アーチがない | 痛みがでやすい・たこができやすい・外反母趾になりやすい |
偏平足 | 縦アーチがない | 土踏まずがない状態・スポーツをすると疲れやすく、痛みがでることがある |
外反足 | 内くるぶしが内側に倒れている | 衝撃をうまく吸収できない・偏平足(へんぺいそく)にともなうことが多い |
凹足 | 縦アーチが通常より高い | アーチの柔軟性が低下し、衝撃がうまく吸収できない |
足の形が変わることでますます歩行に困難が生じ、さらなる体の不調につながります。アーチ構造の崩れによる負の連鎖を避けるには、アーチ構造を支える足裏や脛の筋力が低下しないようにすることが大切です。
たとえば、足のアーチ構造を支えているのが、足底腱膜です。足底腱膜はかかとから足の指にかけて張り巡らされている筋膜で、歩き出すときにバネのような役割をします。運動不足や急激な体重増加、スポーツでの激しい衝撃などによって足底腱膜が正常に機能しなくなると、アーチ構造の崩れにつながるおそれがあります。マッサージや簡単なエクササイズを行い、アーチ構造を維持する工夫をすると良いでしょう。
- 足を温めて筋肉をほぐす
- 足湯で足裏を温める
- 足指の付け根をもって、軽く引っ張りながら回す(10回程度)
- 足を開いたり閉じたりする(20~30回ほど)
- 立った状態でかかとを上げ下げする
これらを毎日継続することで、効果が期待できます。
自分の足のアーチ構造に問題がないか心配な方は、足指でじゃんけんのグーとパーを作ってみましょう。アーチ構造がしっかりしている場合、足指の付け根から曲げることできます。グーにしたとき、手と同じように指の付け根部分がボコっと盛り上がっていればOKです。パーにしたときは、1本1本の指がすべて離れ、真横に開いているのが理想です。
足指が使えないのも問題!
足の指が床についていない「浮足」も、体の不調につながります。
浮足は、体の重心がかかと側になっていることで足指が上手に使えず、体をうまく支えられない状態です。浮足になると姿勢が悪くなり、反り腰やストレートネック、肩こりや腰痛の原因となります。また、足の指が重なってしまったり、むくみや巻き爪が起こりやすくなったりするため、注意が必要です。
しかし、女性の3人に1人、男性の2人に1人は浮足であると言われています。浮足であるかどうかは簡単にチェックできるので、気になる方は次の方法で確認してみましょう。
- 手で足の親指をつかんで足の甲側に反らしてみる→90度以上反るようなら浮足の可能性がある
- 立った状態で足の指の下にはがきが入る→浮足の可能性が高い(本来、10本の足の指はすべて床につく)
浮足の原因は足裏の筋肉が低下することや、歩き方にあると言われています。適度に刺激を与えて筋力を維持し、正しい歩き方をすることが重要です。また、浮足の予防には、足裏全体にバランスよく体重を乗せて歩く習慣をつけるのも効果的。かかと・足裏・つま先の順に滑らかに歩くようにしましょう。
浮足が気になる方は足指やふくらはぎ、内腿や太もものストレッチもおすすめです。浮足用のテーピングやサポーターなども販売されているので、専門家に相談の上、試してみるのも良いでしょう。
足の筋力を維持しよう
アーチ構造の崩れや浮足は、さまざまな不調の原因となる可能性があります。足裏や脛の筋力を維持し、正しい姿勢で歩くことが大切です。マッサージや簡単なエクササイズで足を労わり、歩行トラブルを予防しましょう。