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今注目の「デジタルデトックス」のすすめ!その効果や方法を紹介

近年、急速な広がりを見せるデジタルの世界。

気になることがあればすぐにスマートフォンで検索、話題のお店があればSNSでチェック、PCを使ったリモートワークの拡充など、最近ではスマートフォンやPCが常に手放せない人も少なくないのではないでしょうか。

 

これらのデジタルデバイスは、私たちに新しい価値を提供してくれると同時に、付き合い方を間違えるとネット依存症やストレスの増大など、心身に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要。そんなデジタル世界がもたらす「つながり疲れ」を解消する方法として、「デジタルデトックス」が近年注目を集めています。

 

今回は、デジタルデトックスの効果や方法について紹介します。



デジタルデトックスとは?

「デジタルデトックス」とは、スマートフォンやPCなどのデジタルデバイスに触らない時間を一定時間設けることで、ストレス軽減をはかる取り組みのことです。

「スマホ断ち」や「ネット断ち」と呼ばれることも。

 

「スマートフォンから離れなければならないの?」「ネット環境がない場所に引越をしなければならないの?」など、完全にデジタルを手放して生活するというものではなく、あくまで適切な距離感でデジタルデバイスやインターネットと付き合っていくために行うものです。

「寝る1時間はスマホを触らない」といった習慣を取り入れることもデジタルデトックスです。

デジタルデバイスがもたらす影響とは?

そもそも、スマートフォンやPCといったデジタルデバイスを常に使用することは、私たちの心身にどのような影響を与えるのでしょうか?ここでは、デジタルデバイスがもたらす影響について紹介します。

 

●スマホ脳過労

とくに、スマートフォンを使いすぎると「スマホ脳過労」と呼ばれる、脳の不調が起きることがわかってきました。

スマートフォンに表示される文字や映像などの膨大な情報が常に脳に流入し続けることにより、脳内の「前頭前野」と呼ばれる情報処理を行う部分が疲弊してしまいます。

処理能力が低下することでスマホ脳過労は起きると言われています。スマホ脳過労に陥ると、認知機能の低下による物忘れや判断や意欲、感情のコントロールが難しくなる、自律神経が乱れるなどの症状が現れるように。

●メンタル不調のリスクが高くなる

デジタルデトックスが必要な理由の一つに、デジタルデバイスを手放せない人はメンタルヘルスのリスクが高くなることが挙げられます。とくにSNSは、心理的距離を縮めるのに絶大な効果がありますが、使いすぎると心理的距離が近くなりすぎて、トラブルを起こしたり人間関係を悪化させることも。米ミシガン大学の研究では、SNSの一つであるFacebookを使えば使うほど、落ち込んだ気分になり、生活満足度が下がり主観的な幸福も低下することが報告されています。

参照:Facebook Use Predicts Declines in Subjective Well-Being in Young Adults|PLoS ON

 

●仕事とプライベートの境目があいまいに

ここ数十年のインターネットの爆発的な普及により、ビジネスの面でもデジタルデバイスは欠かせない存在に。さらに、オンラインでも取り組める職種に就く人や、新型コロナウイルスの影響でテレワークで仕事をする人も増えています。そのため、仕事でパソコンやスマートフォンをよく利用する人が、終業後にも関わらずメールの返信が気になってしまい常にチェックしてしまう、時間外労働でもずるずると仕事を続けてしまう。その結果、プライベートの時間がなくなってしまい心身に不調が出てしまうということも実際に問題になっています。

デジタルデトックスの効果とは?

デジタルデバイスによってもたらされる不調は、最初は小さな違和感でも毎日無意識のうちにデジタルデバイスに触れているので、知らず知らずのうちに取り返しの付かない状態になってしまうことがあるので注意が必要。

そこで定期的に取り入れたいのが、デジタルデトックスです。ここでは、デジタルデトックスにはどのような効果があるのか紹介します。

 

●脳を休ませることができる

スマートフォンやPCといったデジタルデバイスは、私たちの生活に役立つさまざまな情報を提供してくれますが、脳がそれらの情報を処理しきれず、疲弊してしまうことがあるので注意が必要です。

一定時間脳を休ませるためにデジタル断ちをすることは、脳や自律神経、メンタル面に蓄積した疲れを取り除き、本来の健康的な状態に導いてくれるのでおすすめです。

 

●睡眠の質が向上する

実はデジタルデバイスからは、「ブルーライト」と呼ばれる目に見えない光が出ています。

このブルーライトは、スムーズな入眠を助けるメラトニンという成分が体内で分泌されるのを妨げてしまい、人間の脳を常に「スイッチオン」の覚醒状態にしてしまうので注意が必要。質の良い睡眠を取るためにも、寝る1時間前からはブルーライトを発するデジタルデバイスから離れるのがおすすめ。

●自分自身と向き合う時間ができる

インターネットの世界は、誰かと一緒にいなくても、SNSを通じて他者を気遣ったり周りからの目線を気にしたりと、常に外側の世界に目が行きがちです。

 

そこで、デジタルデトックスで一定時間他者とのつながりを断つことで、自然と自分の内側に目が行くように。自分自身の気持ちや、関心事、これからの目標を見つめ直すことで、日々の生活がより豊かになるのではないでしょうか。

 

●目の前のことに集中できる

スマートフォンが近くにあると、「早くSNSの返信をしなければ」などと考え、美味しい食事を前にしてもついついスマートフォンを使用してしまう人もいるのではないでしょうか。

さらに、スマートフォンが気になって、勉強や仕事といった目の前のやるべきことに集中できないということもよく耳にします。

そんな時は、デジタルデトックスを行うことで、SNSやメール、インターネットなどのデジタルな刺激から離れ本来の目標や興味のある活動に集中できるように。

またデジタルデトックスを行うことで、空いた時間でずっとやりたかったことにチャレンジするなど、クリエイティブな時間や新たな価値の創造につながることも。

デジタルデトックスの方法とは?

ここまで、デジタルデトックスの効果について紹介しましたが、実際デジタルデトックスを行うにはどのような方法があるのでしょうか?

 

●デジタルデバイスを使用しない時間を設ける

デジタルデバイスに触れない時間を決めるのは、すぐに実践できるデジタルデトックスの方法です。

「夜寝る1時間前はスマートフォンを触らない」

「通勤中はデジタルデバイスを開かず本を読む」など、

最初は30分や1時間などの短時間に設定することが重要です。

そして、慣れてきたら徐々に使わない時間を増やしていきましょう。また、スマートフォンに搭載されているスクリーンタイム機能を活用するのもおすすめ。スクリーンタイム機能とは、どのくらいの頻度でスマートフォンを利用しているか確認でき、制限や管理を行える機能です。

1日の中でスマホを触る時間の上限を決めておき、その上限に達したら、リセットされるまではアプリなどの機能が操作できなくなります。デジタル機器からなかなか離れられないという方は、このように強制的に離れられる環境を作るのもGOOD!

 

●デジタルデバイスと物理的に距離を取る

とくにスマートフォンが常に気になる人は、無意識にスマートフォンを手元に置き、長時間使用してしまいます。

そのことを防ぐためには、意識してデジタルデバイスを操作できない場所に置くことが大切です。

 

「寝室にスマートフォンを持ち込まない」や「仕事中は常にかばんの奥にしまっておく」など、手を伸ばせばすぐに手の届くところにデジタルデバイスを置かないようにしましょう。

また、スマートフォンをネットにつながっていない機内モードを設定するなどで、すぐにネットを開けない環境を作る。スマートフォンの電源を切ってすぐに確認できない状況を作り出すことも、距離を取る方法としておすすめ。

 

●自然に触れる

インターネット上で作られるデジタル世界から離れ、自然豊かな場所でデジタルデトックスを行うとより効果が高まります。

人は自然とつながることで、本来持っている生命力が活性化し、ストレスも軽減するとされています。五感がフルに刺激されることで、創造力が高まり気持ちも前向きになるのもGOOD!

キャンプやハイキングはもちろんのこと、スマートフォンの電源を落とし近所の公園を散歩するだけでも効果的ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

今晩から寝室でのスマートフォンの充電をやめてみませんか?

ここまで、デジタルデトックスの効果や方法について紹介しました。

 

デジタルの世界には昼も夜もないため常に触れていると、体内時計が狂い自律神経が乱れてしまいます。その状態が長く続くと、メンタル不調に陥ってしまうことがあるので、付き合い方に注意が必要です。

とくに就寝前は日中優位に働いていた交感神経から、体をゆるめる副交感神経へと切り替えを行う大切な時間です。

 

スマートフォンを寝ている間に充電している方も多いと思いますが、寝室には持ち込まずリビングで充電する習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。