近年、スーパーの食用オイルコーナーでは、定番のサラダ油やオリーブオイルの他にもアマ二油やココナッツオイル、MCTオイルといった新しいオイルも見かけるようになりました。
さらに、「コレステロールの吸収を抑える」などの具体的な表示が許可されている、特定保健用食品(トクホ)に指定された食用オイルも増えてきており、食材を選ぶようにオイルも選ぶ時代に。今回はバリエーションが増えてきている食用オイルについて、効果別におすすめな機能性オイルについて紹介します。
効果別おすすめの機能性オイル
健康効果が期待できるオイルから美容効果のあるオイルまで、さまざまな種類の機能性オイルが販売されています。ここでは、効果別におすすめの機能性オイルを紹介します。
アンチエイジング効果が期待できる
《マカダミアナッツオイル》
マカダミアナッツオイルは、その名の通りマカダミアナッツから抽出されるオイルで、ナッツ特有の香ばしい香りが特徴的です。このマカダミアナッツオイルには、パルミトレイン酸と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれています。
パルミトレイン酸は別名「若さの脂肪酸」ともいわれるほどアンチエイジング効果に優れているとされ、肌の乾燥や弾力不足を解消する効果が期待できるので美肌作りにおすすめ。
便秘の解消
《オリーブオイル》
イタリア料理の定番であるオリーブオイルに含まれるオレイン酸には、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進させる効果と、便をなめらかにする効果があるとされています。そのため、便秘を解消するだけではなく、便秘になりにくい効果もあります。また、オリーブオイルに含まれるビタミンEには、腸と密接に関わっている自律神経のバランスを整えてくれる効果があるのもうれしいポイント♪
アレルギー症状の緩和
《エゴマ油》
シソ科に属するエゴマの葉から作られるエゴマ油には、ポリフェノールの一種であるルテオリンやロスマリン酸が多く含まれています。とくに、エゴマ油に含まれるロスマリン酸には、抗炎症作用や抗酸化作用があるため、アレルギー反応を抑える効果が期待。日常的に取り入れることで、花粉症対策にも有効とされています。
参照:アレルギー性鼻炎モデルラットに対するロズマリン酸の効果|昭和大学病院
脂肪燃焼効果が高い
《MCTオイル》
MCTとは中鎖脂肪酸を表す言葉で、主にココナッツやヤシ科植物の種実に含まれており、MCTオイルは中鎖脂肪酸100%の油のことを指しています。長鎖脂肪(LCT)に分類されるサラダ油やごま油などに比べ、消化吸収が約4倍早いとされており、素早くエネルギーに変換できることから、体脂肪として蓄積されにくいという特徴があります。さらに、MCTオイルには体脂肪を燃やして作るケトン体の生成を促す効果があるため、糖質制限+MCTオイルの摂取を行うことで、脂肪燃焼効果が期待できてGOOD!
ホルモンバランスの改善
《亜麻仁油(アマ二油)》
亜麻仁油とは、亜麻という植物の種子から抽出した油です。亜麻仁油に含まれる亜麻リグナンと呼ばれる成分は、腸内細菌によって分解されると、女性ホルモン(エストロゲン)を整える働きをしてくれるとされています。そのため、女性ホルモンの影響を受けやすい更年期症状やPMS(月経前症候群)といった、女性特有の症状の緩和に効果を発揮します。
効果的なオイルの摂り方とは?
美容や健康のために良質な油を日々の食事に取り入れたいところですが、調理方法によっては向き・不向きがあるので注意が必要です。
実は、MCTオイルは揚げたり炒めたりすると煙が出たり、泡立ちが起こり危険です。
また、アマ二油やエゴマ油も熱に弱く酸化しやすいため、加熱調理に向きません。
ですので、これらの機能性オイルは「生のまま」料理に使いましょう。
複数のオイルを併用する場合は摂取量にご注意を!
ここまで、近年は店頭での取り扱いも増えている機能性オイルについて紹介しました。
食用オイルを料理の調味料として使うだけでなく、そのまま飲んだり、サラダやヨーグルトにかけて、日々の食事にぜひ取り入れることをおすすめです。
ただ、1日の摂取量には注意が必要です。成人女性の1日の脂質摂取基準は約53gとされており、脂質は食べ物に含まれているので、調理に使ったりサラダなどにかけて食べる油としては15g(大さじ1杯強)くらいが適量とされています。健康や美容に良いからといって摂りすぎないように注意しましょう。