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発酵食品はすごい!発酵食品の歴史や菌活について知ろう

味噌や醤油、みりんやお酒、漬物など、日本には多くの発酵食品があります。健康や美容のために「菌活」する人も増えてきました。しかし、あまりに身近過ぎるがゆえ、発酵食品についてよく知らない方もいるのではないでしょうか。

 

本記事では、発酵食品の歴史や菌活について解説します。簡単に作れる菌活レシピも紹介しますので、ぜひ参考になさってください。



発酵食品の歴史

発酵食品は、昔から世界中で利用されてきました。世界で最も古い発酵食品は、9000年前に中国で作られたお酒だと言われています。8000年前にはジョージアでワイン、7000年前にはヨーグルトが作られるようになったのだとか。その他の地域でも、発酵食品は食べられていたようです。

 

  • 古代エジプトでは、発酵パンが作られていた。
  • 古代ローマでは、魚介類を使った発酵調味料である魚醤を使っていた。
  • メソポタミア文明の遺跡からは、ワイン製造の跡が見つかっている。

 

発酵食品のメカニズムが明らかになったのは19世紀に入ってからですが、人々が経験として「発酵」を用いて、さまざまな形で活用してきたことがわかります。

日本で最古の発酵食品は4000年前の魚醤と言われていますが、米で麹を作るようになって以降、発酵技術は飛躍的に向上します。醤油や味噌、酒や焼酎など、今でも身近な発酵食品が生まれました。日本の風土は高温多湿で、発酵に適した環境です。そのため、世界でも有数の発酵大国になったと言われています。

 

日本の発酵食品の特徴は、「麹」を使った発酵食品が多いことです。麹とは米や麦などの穀物を蒸してコウジカビをつけ、発酵させたもの。伝統的な和食には米麹を使った発酵食品が多いため、和食を食べていれば自然に発酵食品をとれることになります。

今話題の「菌活」

「菌活」という言葉を耳にしたことはありませんか?菌活とは、体に良い働きをする菌を取り入れて、腸内環境を整えることです。具体的には、善玉菌を含んだ食品を食べることや、きのこを食べることを指します。

 

菌活と似た言葉に「腸活」がありますが、腸活は食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直して腸内環境を整えることです。どちらも腸内環境を整えるのが目的ですが、菌活の方が食生活に重点を置いていると言えます。腸活のひとつが菌活とも言えるでしょう。

 

腸内環境が整うと健康や美容にさまざまなメリットがあるため、今、菌活をする人が増えています。発酵食品は善玉菌が多く含まれるので、菌活にぴったりな食品。発酵食品と一緒に善玉菌のエサとなる食物繊維を取ると、さらに効果的です。毎日1つ、菌活食材を食べることを意識しましょう。

簡単!菌活レシピ

普段あまり料理をしない方でも作りやすい、菌活レシピを3つ紹介します。

 

<きのこのマリネ>

価格の変動が少ない菌活食材「きのこ」をたっぷりとれる一品です。ちなみに、「菌」を訓読みすると「きのこ」。発酵食品と食物繊維で、善玉菌を増やしましょう。

 

(材料)

・好きなきのこ 300g

・醤油 大さじ1

・酢 大さじ1

・みりん 大さじ1

 

(作り方)

1 フライパンを熱して油を大さじ1程度入れ、きのこがしんなりするまで炒める(中火程度)。

2 醤油・酢・みりんを入れて、3分ほど炒める。

3 きのこ全体に調味料が行き渡ったら完成。

*調味料の量はお好みで調整してください。酸味が苦手な方は酢の量を減らすか、砂糖を少量加えるのがおすすめです。

 

ご飯のお供やお酒のおつまみはもちろん、パスタや麺と合わせてもおいしく食べられます。きのこの水分が多い時は、片栗粉でとろみをつけるのもOK。きのこを何種類か使うと、食感に変化が出てさらにおいしいです。鷹の爪を入れてピリ辛にすると、ご飯が進みます。

 

<炊飯器で甘酒>

飲む点滴と言われるほど栄養満点の甘酒。とても甘くておいしいので、スイーツの代わりになります!食欲がない時にもおすすめです。

 

(材料)

・米  1合

・水 850cc

・米麹(乾燥) 200g

*温度計と布巾を用意しておきます。

 

(作り方)

1 米を研いで、30分ほど水に浸す。

2 米麹をバラバラにほぐす。

3 炊飯する(炊飯器におかゆモードがあれば、そちらで炊く)。

4 炊きあがったら、ご飯が60℃になるまでさます。

5 60℃になったら、米麹をまぜる。

6 炊飯器を保温モードにして、蓋をあけたまま濡らした布巾をかける。しばらくそのまま置いておく。(70℃以上になると発酵がストップしてしまうため、時折温度を測ってください。)

7 1〜2時間経ったら一度かき混ぜて、そのまま8時間置く。

8 ペースト状になったら完成。

 

甘酒はヨーグルトメーカーや魔法瓶でも作れます。そのまま飲んで甘みが強いと感じる場合は、牛乳やお湯で割ってもおいしく飲めます。出来上がった甘酒は清潔な容器に移して冷蔵庫で保管し、早めに飲みきってください。

 

<鶏肉の塩麹焼き>

塩麹につけて焼くだけのお手軽メニュー。週末に仕込んでおけば、忙しい時に焼くだけでメインのおかずが完成します。

 

(材料)

・鶏モモ肉 400g

・塩麹 大さじ2

 

(作り方)

1 鶏モモ肉の皮目にフォークで穴をあけ、ビニール袋に入れる。

2 塩麹を入れてもみ、15分ほど置く。

3 フライパンを熱して、鶏モモ肉の皮目を下にして焼く。(注:塩麹が多くついていると焦げやすいので、焼く前に軽く拭きとっておく。)

4 皮目に焼き色がついたら、蓋をして弱火で8〜10分ほど蒸し焼きにする。

5 鶏モモ肉に火が通ったら完成。

 

筆者はよく鶏ムネ肉で塩麹焼きを作りますが、鶏ムネ肉でも硬くならず、ふんわりと仕上がります。我が家の場合、次の方法で調理しています。

 

(1)前日の夜、一口サイズにカットした鶏ムネ肉を塩麹につけて、冷蔵庫に入れておく。

(2)翌日、オーブンの自動モード(鶏肉を焼くモードがついています。)で焼く。

 

オーブンを使うと焦げ付く心配もなく、ジューシーに仕上がります。夕食作りの時間を短縮したい方は、ぜひお試しください。

 

上記で紹介したレシピは、あくまで一例です。忙しくて料理を作るのが難しい方は、次のような小さな工夫から始めてみましょう。

  • 味噌汁を飲むようにする
  • サラダにドレッシングではなく塩麹をかける
  • 朝食にヨーグルトを食べる
  • 外食で根菜や海藻使ったメニューを注文する

発酵食品は、毎日少しずつ食事に取り入れることが大切です。自分の食生活を振り返り、どうしたら負担なく続けられるかを考えてみませんか。

発酵食品を上手に取り入れよう

発酵食品は健康や美容に良い食品で、古くから世界中で利用されてきました。発酵食品には善玉菌が含まれているため、腸内環境を整えるのに効果的です。日々の食事に取り入れて、健康維持に役立てましょう。