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発酵食品とは?発酵食品に期待できる効果やメリット・デメリットを解説

発酵食品とは、微生物によって栄養価や保存性が高まった食品のことです。健康や美容に多くのメリットがあり、昔から世界中で活用されてきました。本記事では発酵食品について取り上げ、発酵食品の効果やメリット・デメリットについて解説します。発酵食品について知れば「食べないなんてもったいない!」と感じるはずです。



発酵食品とは

発酵食品とは微生物が食物の成分を分解し、人間にとって有益に変化した食品のことです。発酵することでうま味や風味が増し、独特の味わいが楽しめます。発酵食品というと日本では納豆や味噌、醤油などが定番ですが、風土や原材料、好みに合わせて世界中で古くから食べられてきました。

 

<発酵食品の具体例>

調味料 醤油・味噌・酢・塩麹・酒粕・豆板醤・コチュジャン
豆類 納豆・テンペ
野菜類 ぬか漬け・ピクルス・キムチ・ザワークラウト・ザーサイ
肉類 生ハム・サラミ
魚類 かつお節・くさや・塩辛・なれずし
乳製品 ヨーグルト・チーズ・発酵バター
酒類 日本酒・ビール・ワイン・焼酎・泡盛・ウイスキー・ブランデー
飲み物 甘酒・紅茶・プーアール茶・ココア
 パンやデザート  パン・チョコレート・ナタデココ

 

意外に思われる方もいるかもしれませんが、チョコレートやココアも実は発酵食品。製造の工程で発酵させることで、チョコレートの香りが出るのだそうです。

 

 

 

また、発酵食品を生み出す微生物は、「カビ」「酵母」「細菌」の3つに大きく分けられます。なかでも、麹菌(コウジカビ)、酵母菌、乳酸菌、酢酸菌、納豆菌は、日本人に身近な発酵食品を作るのに欠かせない微生物です。具体的には、それぞれ下記の食品を作るのに関わっています。 麹菌(コウジカビ)・・・味噌、醤油、本みりん、酢、清酒、甘酒、塩麹など 酵母菌・・・醤油、パンなど 酢酸菌・・・酢、ナタデココなど 納豆菌・・・納豆 乳酸菌・・・漬物、チーズ、ヨーグルトなど 日本食に不可欠な麹菌は、2006年に「国菌(こっきん)」に指定されています。

発酵食品のメリット

発酵食品は、健康や美容にさまざまな効果が期待できる食品です。次のようなメリットがあります。

 

(1)腸内環境が整う

発酵食品には善玉菌が豊富に含まれています。そのため、発酵食品を食べることで悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整える効果が期待できます。また、体の免疫機能の60%は腸に集まっているため、免疫力アップにも効果的です。

 

(2)美肌効果が見込める

腸内環境が整うことで、肌荒れ防止につながります。また、食品に含まれるビタミンCやカロテンなどは発酵の過程でさまざまな酵素が働くことで、さらに高い抗酸化作用を発揮するといわれています。そのため、エイジングケアにも効果的です。

 

(3)体に良い成分が増える

食品が発酵すると、もともと含まれていた栄養がアップしたり、他の成分が加わったりします。たとえば、納豆に含まれるナットウキナーゼは、納豆菌の作用によって生まれたもの。ヨーグルトに含まれるカルシウムは、牛乳よりも吸収されやすいといわれています。発酵食品を食べることで、体に良い成分を取り入れることが可能です。生活習慣病の予防にもつながります。

 

(4)保存性が高まる

発酵させることで腐敗菌が繁殖しにくくなり、長期間の保存が可能となります。しかも発酵食品を熟成させるとうま味が増すため、より深い味わいに変化。さらにおいしく食べられます。

 

(5)ストレス軽減につながる

ぬか漬けや味噌などの発酵食品には、アミノ酸の一種であるGABAが含まれています。GABAには不安や緊張を和らげる作用があり、ストレス軽減に役立ちます。

発酵食品のデメリット

多くのメリットがある発酵食品にも、デメリットは存在します。

 

(1)においが発生する

発酵すると、独特の風味が加わります。発酵食品の風味を「良い香り」と感じるか「苦手なにおい」と感じるかは、人それぞれ。とくに酸味の強いにおいや、個性的なにおいのある発酵食品は好みが分かれます。発酵食品の風味が苦手な方は、調理方法や味付けを工夫すると食べやすくなりますよ。

 

(2)食べ過ぎに注意が必要

発酵食品を食べすぎると、カロリーや塩分を取りすぎるおそれがあります。また、大量に一種類の発酵食品を取ることも良くありません。発酵食品は完全食品ではないので、毎日の食事をバランスよく取ることが大切です。

 

(3)薬との相性が悪いことがある

一部の発酵食品は薬の作用を強めたり、弱めたりする可能性があります。日常的に服用する薬と発酵食品との相性については、医師や薬剤師に相談してください。

発酵食品のおすすめの取り方

発酵食品のメリットを生かすなら、次の3点を意識しましょう。

 

  • 毎日適量を食べる。毎日が難しいなら、週に何回かは食べるよう心がける。
  • 発酵食品と食物繊維を一緒に取る。
  • 発酵食品同士を組み合わせて食べる。

 

上記はいずれも、腸内の善玉菌をさらに増やすための工夫です。ぜひ試してみてくださいね。

発酵食品を毎日食べよう

発酵食品とは、微生物の力によって栄養価や保存性が高まった食品のことです。発酵することでうま味や風味が増すだけでなく、さまざまなメリットがあります。発酵食品を毎日の食卓に取り入れて、健康と美容に役立てましょう。