プロテインは、「タンパク質」を意味する英語が元になっている言葉で、日本では「タンパク質を補うための栄養補助食品」を表す言葉として広く使われています。
タンパク質は体を構成する、筋肉、皮膚、骨、そして臓器とさまざまな場所で必要とされる成分です。そんなタンパク質を含むプロテインですが、組み合わせる食品や成分によって、吸収率や発揮する効果に違いが出ることをご存じでしょうか?
今回は、プロテインと一緒に取り入れることで、より効率的にタンパク質を吸収できる成分や食品について紹介します。
タンパク質が体に吸収されるしくみとは?
実はタンパク質は分子が大きいため、そのままでは体に吸収されません。体に吸収される過程で、分解と合成を繰り返し、最終的には各組織に運ばれます。
タンパク質を食事やプロテインで摂取した場合
胃や十二指腸に運ばれたタンパク質は胃酸・消化酵素により分解される
さらに小腸に運ばれ、酵素の働きによりによりペプチドへ分解される
最終的には小腸上皮にてアミノ酸へ分解され、その後小腸上皮粘膜にて吸収される
小腸上皮粘膜で吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、さらに血液によって体の各組織に運ばれ、タンパク質に再合成される
タンパク質はどのように消化・吸収される?|公益財団法人日本食肉消費総合センター
プロテインと一緒に摂りたい栄養素
体内に入ったタンパク質は、分解と合成を繰り返しながら、最終的に必要な細胞に運ばれます。
タンパク質が含まれるプロテインを単体で摂取するより、タンパク質が小腸で吸収される際のサポート役や筋肉に再合成される際のサポート役となる成分も一緒に摂るほうが、タンパク質摂取の効果を最大化することが可能に。
ここでは、プロテインと一緒に摂取したい成分や食品を紹介します。
●ビタミンB6
ビタミンB6は、タンパク質の元であるアミノ酸の分解と体内でタンパク質の再合成の際に働く成分です。そのためタンパク質とビタミンB6を一緒に摂取することは、タンパク質の合成力をあげ、丈夫で健康な皮膚や粘膜、髪を育てることにつながります。
ビタミンB6の1日に推奨される摂取量
成人男性で1.4mg
成人女性で1.2mg
ですが、タンパク質の摂取量の増加に伴って、ビタミンB6の必要量も増加します。
プロテインの摂取などタンパク質の摂取量が増加している場合は、同時にビタミンB6の摂取も意識するとGOOD!赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれています。
●ビタミンB12
ビタミンB12は、「赤いビタミン」「抗貧血ビタミン」とも呼ばれており、血液を作る“造血作用”があります。
タンパク質の合成をサポートする役割と共に、新しい細胞を作り出すために必要な細胞内の「核酸」の合成も行う成分ですので、タンパク質と共に健康な細胞を構築するためには欠かせない成分です。
●ビタミンD
ビタミンDは体内でタンパク質と結合し、筋肉の再合成をサポートすることで知られる成分です。
また、丈夫な骨を作る際に欠かせないカルシウムの吸収率も上げる働きがあり、成長期の子どもからお年寄りまでどの年代の人にも欠かせない成分ですので、ぜひ積極的に取り入れましょう。ビタミンDは、鮭などの魚介類、きのこ類に多く含まれています。
実は紫外線に当たると体内で合成される性質もあるため、日光浴を取り入れることもおすすめです。
●お米などの炭水化物
もしかしたら、ダイエットを目的として、体重を減らすためにタンパク質はしっかり摂って、その分白米などの炭水化物をがまんしているという人もいるのではないでしょうか。
実は、タンパク質をしっかり摂りたい時こそ、炭水化物を一緒に摂る必要があるのです。なぜなら、炭水化物が不足してしまうと、生命を維持するために必要なエネルギーを得るため、体内のタンパク質が分解され使われてしまいます。
そのため、せっかく筋肉をつけたくてプロテインを摂取しても、プロテインに含まれるタンパク質がエネルギー源として消費されてしまい、効果が出にくくなってしまうので注意しましょう。
プロテインと脂質の組み合わせには注意が必要
ここまで、プロテインと一緒に摂ることで、プロテインに含まれるタンパク質の吸収率や効果が上がるおすすめの成分や食品について紹介しました。
ご紹介した栄養素とは反対に、プロテインと相性の悪い食品があります。
それは、野菜や果物といった食物繊維を多く含む食品です。
プロテインの利点として、
- 消化吸収が早く
- 素早く筋肉にタンパク質を届ける
ことができます。
しかし、消化吸収の遅い食物繊維と一緒に摂ることで、プロテインの吸収スピードも落ちてしまう可能性が。あくまで、運動後に素早くタンパク質を筋肉に届けたい場合ではありますが、組み合わせには気をつけましょう。