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アーユルヴェーダから学ぶ暑さを吹き飛ばす!夏のおすすめ食材を紹介

夏至も過ぎ、いよいよ本格的な夏が到来!と思ったら、梅雨がある日本では1日の中でも天気や気温が安定せず、気分がどんよりする日々が続いていますね。

 

1年で最も日照時間が長い夏至のころに、アーユルヴェーダでは、私たちが持つ「体力・消化力・精神力」が最も弱まると言われています。

それは、人が生まれながらに持っている性質(ドーシャ)が、刻々と変化する湿度や外気温などの影響を受け、乱れるからと言われています。

 

今回は、ドーシャバランスを整え、天気の変化に負けない体作りができる食材をご紹介。



アーユルヴェーダにおける夏とは?

日本において、季節とは「春」「夏」「秋」「冬」の4つに分類されますが、インドでは「春」「夏」「モンスーン」「秋」「初冬」「冬」の6つに分類されます。どちらも、太陽の動きによって季節を区切っている基本的な考え方は一緒です。日本における「夏」は、インドにおいては「モンスーンの一部」と「夏」にあたる部分となります。

「夏」は気温が高く、暑さによる体への影響は避けられません。アーユルヴェーダにおいては、夏は火の性質を持つピッタが体の中で増えすぎてしまうと言われており、体内に熱がこもることで、さまざまな不調が引き起こされることに。

 

夏バテ解消メニューとして、香辛料を使った辛いメニューや、ニンニクなどの体を温める食材がおすすめされることがあります。しかし、アーユルヴェーダの観点から見ると体に熱がこもって状態で、辛い食べ物を食べて、さらに体を温めてしまうことは避けるべきだとされています。

アーユルヴェーダ的夏のおすすめ食材とは?

夏場の体調管理は、増えすぎてしまったピッタを静めることが大切です。そのためには、体をクールダウンさせる性質の食材を取り入れたいのですが、冷たい飲み物や食べ物を食べるということではありませんので注意が必要です。

 

さらに、暑いところから、クーラーの効いた涼しい室内に入ると、気温の変化に伴い胃腸の調子も悪くなりやすいです。アーユルヴェーダにおいて消化の火と呼ばれている「ジャタラグニ」の力を高める食材を料理に取り入れ、胃腸の調子も整えましょう。ここでは、夏の体調管理に役立つ食材を紹介します。

 

●スイカ、キュウリ、ナス、などのウリ科の食物

スイカをはじめとした、ウリ科の食物は成分の90%以上が水分でできており、その水分が体の熱を冷ましてくれます。また、スイカに含まれる果糖やブドウ糖は、他の糖質に比べて、エネルギーに変わるのが速いのです。そのエネルギーを活用して夏の暑さで火照った体を冷まし、ピッタを静め、ドーシャバランスを保つことにつながります。

 

●トマト、ピーマン、などの色鮮やかな夏野菜

夏野菜と呼ばれるトマトやピーマン、ナスなどの色鮮やかな野菜には、水分や体を冷やすカリウムが多く含まれており、体をクールダウンさせてくれます。さらに、夏野菜には抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンCがたっぷり含まれています。抗酸化作用は、お肌のシミやしわだけでなく、細胞の老化を進め、ガンの原因になる夏の強い紫外線から肌を回復させる作用のこと。美しく健康に年齢を重ねるためにも、この抗酸化作用のある夏野菜を積極的に取り入れましょう。

●バター、ヨーグルト、ミルク、などの乳製品

実は、あまり知られていませんが、バターやヨーグルトなどの乳製品には、体を冷やす効果があります。冷たい牛乳を飲むよりも、ヨーグルトをタンドリーチキンのつけダレにしたり、温めた牛乳にシナモンやカルダモンなどのスパイスを混ぜたチャイラテを作ったりと、胃腸を冷やさないように工夫して取り入れるのがGOOD!

 

●ミントを使ったハーブティー

清涼感があるフレーバーは?と聞かれて、「ミント」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。実はミントの香りにはクールダウン効果が科学的にも証明されており、ミントの香りを嗅ぐと体感温度が4℃さがると言われています。ですので、水分補給の際にはミントを浮かべた、ミントティーがおすすめ。さらに、ミントを使ったアロマウォーターを、ピッタが過剰になりやすい目や頭にシュッとするのも、体をクールダウンさせる効果がありGOOD!

 

出典:”体感温度を4℃さげる”|日本アロマ環境協会

暑さによる疲れを吹き飛ばす夏のおすすめメニュー

●キュウリとニンジンのライタ

ライタとは、刻んだ野菜にヨーグルトを和え、サラダ風に仕上げたインドやパキスタンの家庭料理です。体をクールダウンさせる効果のあるヨーグルトに、サイコロ状に刻んだキュウリとニンジンを加え、最後に生姜、クミンシード、レモン汁、塩で味を整えます。生姜を入れることで、胃腸の調子を整え消化力を上げる効果も期待できます。

 

●冬瓜キチディ(お粥)

インドが原産国である冬瓜は、アーユルヴェーダとはなじみの深い野菜です。冬瓜の95%は水分でできており、体に溜まった熱を放出する効果が期待できます。また、食物繊維も多く含むため、胃腸の調子を整えるのにも一役買う食材です。そんな冬瓜を、ムング豆(ひよこ豆で代用可)、ターメリック、米と煮込んだのが冬瓜キチディです。キチディはインドのお粥と言われており、疲れた胃腸を回復させるのにGOOD!そこにピッタを鎮める効果のある冬瓜を加えることで、体全体の調子を整えてくれます。

厳しい夏の暑さをアーユルヴェーダで乗り切ろう

今回は、アーユルヴェーダ式夏のおすすめ食材について紹介しました。

 

夏の体ケアには「クールダウン」を取り入れることが重要ですが、近年はエアコンなどで常に温度が整った環境にいることで、暑さ寒さを感じにくくなっているとも言われています。

 

そのような場合は、まずは温度調節機能を正常にするために、入浴や運動で発汗することが大切です。

その上で、ピッタを鎮める食事を取ることで、体内のバランスが適切に保たれ、夏の疲れを残さない体作りが目指せます。

 

ぜひ、ドーシャバランスを整えて、心身共に充実した夏を過ごせるよう、おすすめ食材を取り入れてみてください。