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アーユルヴェーダから学ぶ春のおすすめ食材とは?

外を歩いていて、街路樹の新緑がとても気持ちの良い季節になってきましたね。

装いもより軽やかな綿や麻素材のものが活躍する季節となってきました。

 

アーユルヴェーダには、健康で幸せに暮らすための季節の過ごし方(リトゥチャリア)という考え方があります。

春は、新学期や新生活など新しいことが始まる季節であり、同時に疲労による体の不調が出やすい季節。

今回は、そのような春の不調を乗り切るための、身近な食材やレシピを紹介します。



季節により変化するドーシャバランス

アーユルヴェーダにおいて、人にはそれぞれ生まれながらに持っている性質(ドーシャ)があるとされ、これらの性質は、ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水と地)と呼ばれる、3つの要素によって構成されています。

 

この3つの要素は、外気温など季節的要因の影響を受けやすいため、その季節に応じて3つのドーシャのバランスを取ることをアーユルヴェーダでは目指しています。

ドーシャバランスについては、下記の記事を参考にしてください。

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アーユルヴェーダにおける春とは?

アーユルヴェーダにおいて、春は水と地のエネルギーを持つカパが上がるシーズンとされています。雪解けにより水量が増える川、水分を含みツヤツヤと輝く木々の新芽、そして新しい生命の誕生など、みずみずしい生命力に溢れた季節と言われています。

カパ(水と地)が増えるとどのような影響があるのか?

生命を育むためにとても大切な性質であるカパですが、増えすぎてしまうと以下のような症状が体に現れます。

  • 花粉症
  • 鼻炎
  • 倦怠感
  • むくみ
  • 便秘

これらの症状は、水の性質を持つカパが増えすぎてしまうことで、体内の水分バランスが崩れてしまい、引き起こされるとされています。

また、冬の間に溜め込み消化しきれなかった栄養が最終的には老廃物や毒素となって私たちの体内に蓄積しており、それがカパの力により雪解けのように流れ出てくるのも、不調の原因の1つとされています。

 

アーユルヴェーダにおけるドーシャは、生まれつきその人が持っているバランスを保つことが大切だと言われているため、1つのドーシャだけが増えてしまうのは、良くないとされています。ですので、春は増えやすいカパを減らすよう調整することが大切です。

アーユルヴェーダ式春のおすすめ食材とは?

カパには、「冷」「油」「重」「粘性」「甘味」といった性質があります。ですので、春先の体の不調を取り除くためには、カパとは反対の性質を持つ「さっぱり」「辛味」「苦味」「渋味」を体に取り入れることがGOOD!ここからは、春に取り入れたいおすすめの食材を紹介します。

 

●春キャベツ

寒さに耐え甘味を蓄えた冬キャベツに比べ、3月頃からスーパーの店頭に並び始める春キャベツは、みずみずしくシャキシャキとした歯応えが特徴。春キャベツに含まれるビタミンUには、胃酸の分泌を抑え、胃や腸の粘膜を健康に保つ働きがあるため、カパの影響による胃腸の不調を防ぐ効果が期待できます。また、春キャベツには、ストレスに負けない体を作るために欠かせないビタミンCが豊富に含まれているのもGOOD!

 

●アスパラガス

アスパラガスに含まれるアスパラギン酸と呼ばれる成分には、貧血の予防や疲労回復に効果があると言われており、疲労がたまりやすい春にぜひ取り入れたい食材です。また、新陳代謝を高め、老廃物や余分な水分を排出してくれる植物性アルカロイドも豊富に含まれており、体の老廃物を排出するデトックス食材としてもおすすめ。

 

●春菊

12月頃旬を迎える春菊ですが、緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、独特な香りを持っているため、カパが増える春に積極的に取り入れたい食材です。春菊の香りに含まれるペリルアルデヒドと呼ばれる成分には、胃腸の調子を整える・免疫力を高める・咳や鼻水を鎮めるといった効果あり、カパの影響により体の水分バランスが崩れ、胃散や鼻水などの分泌物が増える春におすすめ。

 

●生姜

アーユルヴェーダでは、体の老廃物を排出し、必要な栄養素を体に取り入れる胃や腸などの消化器が重要視されています。特に春は、アグニと呼ばれる消化力が落ちやすいとされているため、体を温め消化力を高める働きのある生姜を取り入れることが推奨されています。

アーユルヴェーダ式春のおすすめレシピ

●春菊のマッルン

マッルンとは野菜を蒸し炒めしたスリランカの家庭料理です。香りが強く癖のある春菊を細かく刻み、そこにココナッツパウダー、ターメリック、マスタードを加えることで、甘く食べやすくした一品です。

 

●キッチャリー(アーユルヴェーダのお粥)

お好きな野菜、生姜、クミンシード、カルダモン、ブラックマスタード、クミン、コリアンダー、ターメリックを一緒に煮込んだ、消化に負担をかけない優しいアーユルヴェーダ式のお粥です。数種類のスパイスと生姜が体を温め、血行促進に効果があるため、疲労の軽減にも役立つメニューです。

季節に合わせた生活で健康で前向きな日々を送りましょう

ここまで、アーユルヴェーダの考え方に基づいた春のおすすめ食材について紹介しました。

 

ところで、「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、春は眠気や気分にむらが出やすい時期と言われていますが、これもカパが影響していると言われています。

 

アーユルヴェーダでは、1日の中でもエネルギーが移り変わると考えられており、春は朝6時から10時までは、カパの時間とされています。この時間に起きると、しっかり睡眠を取ったとしても、体が重くなり眠気が取れないことも。

朝6時までのヴァータ(風)の時間に起床するようにしましょう。