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アーユルヴェーダとは?|心身ともに美しくなれるアーユルヴェーダについて紹介

ヨガの本場であるインドには、「アーユルヴェーダ」と呼ばれる、病気の予防や若さを保ち、自分らしく生きることを目指す理論があることをご存じでしょうか。アーユルヴェーダは、世界最古の医療として約5000年前からインドで継承されている、世界三大伝統医学の1つです。医学と聞くと、かしこまったイメージを持たれるかもしれませんが、病気の治療だけではなくふだんの食事やライフスタイルにも考え方が取り入れられている、とても身近な存在です。今回は、アーユルヴェーダの考え方について紹介します。

◇アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダでは、人間の体は「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーで構成されており、自分自身のドーシャの状態を知り、バランスを整えることで心身ともに健康を維持できると言われています。語源は、サンスクリット語のアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/科学)を組み合わせた言葉で、日本語にすると「生命科学」と訳されることが多いです。

◇アーユルヴェーダにおける5大元素とは?

私たち人間や自然、あるいは宇宙にいたるまで、この世のすべてのものは、「 空・風・火・水・土 」の5大元素(パンチャ・マハブータ)から派生していると、アーユルヴェーダでは考えられています。5大元素が生まれたきっかけは、宇宙誕生の際に生じたビッグバン(大爆発)によるものとされています。

 

アーユルヴェーダの5大要素誕生のきっかけは

  1. 「宇宙誕生」=「空」が生まる
  2. 爆発の衝撃が波動となって「風」が生まれる
  3. 「風」による動きが摩擦し、熱が生じて「火」が生まれる
  4. そこに重性が加わり「水」に
  5. 暗性が加わり「地」が生まれる

このような流れで5大元素が誕生したとされています。

◇ドーシャバランスとは?

人が生まれつき持つと言われる生命エネルギー「ドーシャ」。

 

アーユルヴェーダにおけるドーシャは

  • 「ヴァータ(風)」
  • 「ピッタ(火)」
  • 「カパ(地)」

の3つのタイプに分類されます。

 

それぞれのドーシャの割合によって、病気になったときの対処法や若さを保つための方法も変わってきます。基本的には、3つのドーシャのうち、1つもしくは2つのドーシャが優位であることが多いので、下記のリストを使い自身のドーシャはどのタイプが優位であるのか確認してください。アーユルヴェーダでは、本来持って生まれたドーシャのバランスが崩れることで、病気が引き起こされると考えられています。ですので、そのバランスを整えるために、増やすべきドーシャ、減らすべきドーシャを見極めるのが大切です。

◇ドーシャの特徴とは?

●ヴァータ(風)優位の人の特徴

□乾燥しやすい 

□やせ型で食べても太らない 

□便秘気味

□冷えを感じやすい

□気分の変動が激しい 

□眠りが浅い

□緊張しやすい

 

●ピッタ(火)優位の人の特徴

□肌荒れしやすい

□下痢しやすい 

□食欲旺盛

□目が充血しやすい

□体がやわらかい 

□完璧主義 

□短期で怒りっぽい

 

●カパ(地)優位の人の特徴

□体力に自信がある 

□黒くしっとりとした髪 

□色白でみずみずしい肌 

□鼻水・鼻づまりがある 

□だるさや眠気を感じる 

□所有欲がある 

□くよくよしやすい

◇アーユルヴェーダを実践する方法とは?

アーユルヴェーダを日常に取り入れ、実践するためにはいくつかの方法があります。

今回は代表的な方法を3つ紹介します。

 

●アビヤンガ

アビヤンガとは、アーユルヴェーダを代表するオイルマッサージのことで、無色透明のセサミオイルに薬草をブレンドしたものを温め、全身に繰り返し刷り込んで浸透させるトリートメントです。力強いマッサージによって、体に蓄積された老廃物が皮膚から排出されやすくなっています。そのため、アビヤンガの場合には、他のオイル系マッサージとは異なり、トリートメント後に蒸気浴などで体を温め老廃物を押し流すことを推奨しています。

 

●ウドゥワルタナ

ウドゥワルタナでは、数十種類の薬草をあわせた粉を使った、パウダーマッサージが行われます。薬草成分入りのパウダーでマッサージすることで、体の毒素が解毒されたり、肌の表面にある角質を除き、皮膚の新陳代謝を高めることでデトックス効果があると言われています。

 

●シロダーラ

アーユルヴェーダには、頭を意味するシローと、流れを意味するダーラを組み合わせた「シロダーラ」と呼ばれるマッサージがあります。究極の癒しを体験できるとされ、脳内マッサージとも呼ばれています。さまざまな神経が集中しているとされる眉間に、体温より少し高い薬草から作られるオイルを垂らし続ける施術方法です。自律神経を整える効果も高く、トリートメントを受けている間は、一種の瞑想(めいそう)状態になるとも言われています。

◇アーユルヴェーダは自分の体質を客観的に知るための方法

今回は、アーユルヴェーダの成り立ちや考え方について紹介しました。「生命エネルギーや5大元素」と聞くと、壮大で実践するには難しい考え方と思われるかもしれません。しかし、アーユルヴェーダは約5000年という長い年月をかけて、人々の生活に根付くよう進化を続けています。自分のドーシャバランスを知って、「体が冷えやすい体質だからショウガ湯を飲む」、これもアーユルヴェーダになります。まずは、自分のドーシャバランスを知るところからはじめてみませんか。