「OEM」という言葉を、普段からよく耳にする方はそれほど多くないでしょう。でも実は、私たちの生活の中にはたくさんの「OEMの商品」があふれていることを、ご存じでしょうか?
今回は、意外と身近な存在であるOEMの意味や商品事例、導入のメリット・デメリット、PB商品との違いをご紹介します。
OEM(オーイーエム)とは?
「OEM(オーイーエム)」とは【Original:本来の】【Equipment:製品】【Manufacturer:製造業者】を略した言葉で、「販売元から委託を受けてた製造メーカー(OEMメーカー)が商品を製造すること」または「その企業」をあらわす言葉です。
製造された商品は、販売元がOEMメーカーから仕入れて、自社のブランド名をつけて発売。
OEMメーカーは基本的には、販売元からの指示にしたがって製造のみを行います。
ただし、OEMメーカーとよばれる企業でも、実際には企画やデザインなども行う企業もあり、両者の区別は曖昧となっています。
OEMの事例
現在、OEMはさまざまな業界で広く普及しています。ここでは、OEMの事例についてご紹介していきます。
◇化粧品のOEM
私たちが普段使っている化粧品にも、OEMメーカーが製造した商品が数多くあります。
化粧品のパッケージを見ると「販売元」と「製造元」の2種類の企業名が載っている場合があり、「製造元」がOEMメーカーとなります。
化粧品はアイテムの種類や使用する資材が多岐にわたるため、そのアイテムに強いOEMメーカーに製造を依頼することで、理想の商品をスピーディーに作ることができる分野です。
また近年、薬機法が改正され、異業種から化粧品事業への参入がしやすくなったため、化粧品製造のノウハウがない、食品メーカーや化学メーカーがOEMを使って商品を発売する事例も増えてきています。
◇アパレルのOEM
アパレルもOEM製品が多い業界です。アパレルのOEMの場合、生地や人件費が安い海外で生産することが多く、コストの面で非常に有利です。数十枚など小ロットに対応しているOEMメーカーもあります。
また中には、海外のECサイトについてのマーケティングノウハウを持つメーカーもあり、それらのメーカーにおいては、マーケティング情報を元にした商品の開発・製造が可能となっています。
◇健康食品・サプリメントのOEM
誰でも手にとりやすいアイテムだからこそ、オリジナリティを出すことで、売り上げアップにつながりやすいのがこの健康食品の分野です。
ただし、コラーゲン入りドリンクなどの機能性食品やサプリメントを開発・販売する際は、薬機法のチェックなど専門的な知識が必要不可欠です。
ですので、それらの専門的な知識を持つOEMメーカーに製造を委託することで、安心して販売活動に専念できます。
OEMのメリット・デメリット
ここまでOEMの具体的な事例をご紹介してきましたが、次にOEMのメリット・デメリットをご紹介していきます。
◇OEMのメリット
OEMを利用することで、商品製造のノウハウや工場を持っていなくても、OEMメーカーが持つスキルを使って、ニーズにマッチした商品をスピーディーに開発できます。
そのため、ヨガスクールやカフェといった、さまざまな店舗においてオリジナル商品が開発されるケースが増えてきています。
また、さまざまな種類のアイテムを少量ずつ販売できるのも、在庫をあまり抱えなくてもよいという、コスト面での大きなメリットです。
◇OEMのデメリット
一方で、OEMには販売元に商品開発のノウハウが蓄積されないというデメリットがあります。そのため、もし委託先のOEMメーカーを変える場合、新しい委託先で全く同じ商品が作れない場合があります。
OEMとPB(プライベートブランド)の違いとは?
OEMと似ているものにPB(プライベートブランド)とよばれるものがあります。
◇PB(プライベートブランド)とは
PBは「Private Brand(プライベート ブランド)」を略したもので、スーパーやコンビニエンスストアといった小売店や卸業者が、オリジナルブランドとして販売する商品のことです。
◇OEMとの違いとは?
商品の開発スケジュールやメリット・デメリットなどは、OEMとほとんど一緒です。ただし、OEMが委託元である製造メーカーからOEMメーカーに商品の製造の委託がされるのに対し、PBは小売や卸業者といった流通業者からOEMメーカーに商品製造が委託されます。つまり、委託元が製造メーカーであればOEM、流通業者であればPBとなります。
まとめ
ここまで、OEMの意味やOEMの事例、OEMで商品を製造するメリット・デメリット、PBとの違いをご紹介しました。
OEMを利用すれば、商品に対する思いを形にした、世界で一つだけのオリジナル商品を作ることができます。
オリジナル商品は、サービスの価格競争がますます進む中で、他社との差別化を図り収益アップにもつながる重要な存在です。
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